小林賢太郎氏【せりふ抜粋】98年ユダヤ人ネタ 五輪開会式ディレクター解任
東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、メーンプレスセンター(MPC)で会見し、23日に行われる開会式でショーディレクターを務める予定だった元ラーメンズの小林賢太郎氏の解任を発表した。
小林氏は芸人だった20年以上前にコントのせりふでユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を扱ったとして、米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が非難声明を発表していた。
ネット上には当時のものと思われるラーメンズのコント動画なども拡散している。コントはNHK Eテレの「できるかな」風の番組スタッフの会話というシチュエーション。小林氏がノッポさん風の男、相方・片桐仁は相棒のゴン太くん風の男。以下はコント部分のせりふの抜粋。
◇ ◇
小林「じゃあ、トダさんがさ…ほら、プロデューサーの」
片桐「(トダさんが誰か気づいた雰囲気で)あぁあぁあぁ」
小林「『作って楽しいものもいいけど、遊んで学べるものも作れ』って言っただろ」
片桐「ふん」
小林「そこで考えたんだけど、野球やろうと思うんだ。今までだったら、新聞紙を丸めたバット、ところが今回はここ(紙を指し示すようなしぐさ)にバットっていう字を書くんだ」
片桐「うんうんうん」
小林「今までだったら、ただ丸めた紙の球。ただ、ここに『球』っていう字を書くの」
片桐「うんうんうん(理解したような雰囲気)」
小林「そして、スタンドを埋め尽くす観衆。これは人の形に切った紙とかでいいと思うんだけど、(指で人型を作りながら)ここに『人』っていう文字を書くんだ」
片桐「うん」
小林「つまり、文字で構成された野球場を作るっていうのはどうだろう」
片桐「あぁ、いいんじゃない。じゃあちょっとやってみようか。(小林と同じように指で人型を作りながら)ちょうどこういう人の形に切った紙いっぱいあるから」。少し移動して箱を持ってくるような動き。
小林「あー、あのユダヤ人大量惨殺ごっこやろうって言った時のやつな」
片桐「そうそうそうそう。トダさん怒ってたなー」
小林「『放送できるか!』ってな」
◇ ◇
関係者によると、コントは小林氏が脚本・演出を担当していた。小林氏はこの日、解任を受けてコメントを発表。「かつて私が書いたコントのセリフの中に不適切な表現があったというご指摘がありました。確かにご指摘のとおり、1998年の若手芸人を紹介するビデオソフトの中で、私が書いたコントのセリフに、極めて不謹慎な表現が含まれていました。」と事実関係を認めた。さらに「当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています。不快に思われた方々に、お詫びを申し上げます」と謝罪している。