高倉麻子監督の最強パートナー 日テレベレーザ竹本一彦監督が初めて語った妻との絆

 「東京五輪・サッカー女子・1次リーグ、日本1-1カナダ」(21日、札幌ドーム)

 高倉麻子監督を支える最強のパートナーがいる。選手時代は監督として、結婚後は良き理解者として、そして今、重責を担う代表監督の心強い同志として、日テレベレーザの竹本一彦監督(65)が初めて、スポーツライター増島みどり氏に妻との絆を語った。

  ◇  ◇

 -大会前に体調を崩しましたが、初戦を終えました。

 「高倉の体調を心配していました。彼女は人に配慮したり、試合を分析する高い集中力のせいか目が疲れやすく、首や肩の神経が凝って頭痛を引き起こす症状につながる。リラックスして、とは言っても、肩に力が入らざるを得ないし、今こそ入れる時ですしね。大事に至らず安心しました」

 -お2人でゆっくり過ごす時間はないのでは?

 「2人で気分転換を兼ねてウオーキングする時間は大切にしています。五輪代表のメンバー18人を決めた日(6月18日)も、選考やサッカーの話は一切せず、近所の土手や緑の多い公園、お寺などを1時間半ほど歩きました。金メダル獲得までの6試合を組み立て、ピッチ内外でチームをどうマネジメントするか、全ての要素を考え抜いて決断する。バレーボールの中田久美さんは会見で泣いていましたが、監督にとってメンバー選考は、もっとも辛い仕事ではないでしょうか」

 -女性初の代表監督に就任する際、竹本さんは背中を押されたのですか?

 「いえ、背中は押しませんでした。高倉が、自分で勇気を持って踏み出したから。私が、女子サッカーの創成期、過渡期と指導した時代から彼女は戦ってきた。世界一に輝いた佐々木則夫監督の後任は、特別な重圧もある。でも、女性指導者の道も、自分が切り開かなきゃいけない、逃げないで立ち向かおう、そんな思いは近くに居てよく分かった」

 -女子サッカーのパイオニアが、指導者でも先頭に。巡り合わせもありますね。

 「選手時代から、勝負強さ、鋭い得点感覚を持っていましたね。そこは変わらないのかもしれません。読売ベレーザでは、日本女子サッカーリーグ開幕戦で初ゴールを決め(89年)、指導者になるとU17W杯で初優勝する(14年)。そういえば、今回のオリンピック前も、不思議なことがありましたよ」

 -いろいろ起きそうですね。

 「ええ。土手を2人で歩きながら、彼女が『そうだ!四つ葉のクローバーを探そう』と言い出した。私も一生懸命探したんですよ。すると彼女が『あった!』と言う。10万分の1ほどの確率らしいですね、四つ葉は。『さすが勝負強いなぁ』なんて笑っていたんですが、翌日、今度は違う公園を散歩していると、『あっ、また見っけ!』と。2日連続で10万分の1を摘みますかね?家で丁寧に押し花にしていましたから、五輪期間中きっと持っているはずです」

 -今回はスタジアムでの応援がかなわず残念ですね。

 「結婚していつの間にか20年です。2人の時間も1人の時間も両方をお互い大事に楽しく過ごして来ました。監督・高倉麻子に敬意を持って、テレビで応援します。飲み食いなんてとんでもない。襟を正し、集中して、なでしこジャパンを応援します」

(スポーツライター・増島みどり)

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