中国人選手と接触悲劇のベンネマルス オランダ現地紙は「妨害されていなかったら?」再レースで「支援の声」も本人は「本当に本当に悔しい」
「ミラノ・コルティナ五輪・スピードスケート男子1000m」(11日、ミラノ・スピードスケート競技場)
25年世界選手権金メダリストのベンネマルス(オランダ)が中国の廉子文と接触し失速。激怒するシーンがあった。中国選手は失格。ベンネマルスは再レースとなったが、タイムを更新できず、5位のままに終わった。オランダの各現地紙はまさかの悲劇を伝えた。
オランダの現地紙「De Telegraaf」(電子版)は「中国人選手の謝罪を受け入れられない傷心のベンネマルスに、観客から支援の声『僕のオリンピックの夢はめちゃくちゃだ』」という見出しで失望する世界王者の様子を伝えた。
またNRC電子版も「ストルツが1000メートルで勝利するも、ベンネマルスの『もしも』が心に残る」という見出しをトップページに掲げ「最有力候補のジョーダン・ストルツがスピードスケート男子1000メートルで金メダルを獲得した。しかし、このオリンピックのレースに永遠につきまとうのは、次の疑問だ。もしベンネマルスが対戦相手に妨害されていなかったらどうなっていただろうか?」と記した。
レースでは中国の廉子文と11組で同走。ベンネマルスが好ラップを刻んだが、ラスト1周のバックストレートでアウトインが入れ替わる際に、交錯し接触。優先権のあるアウト↓インだったベンネマルスが失速せざるをえなくなった。1分7秒58の好タイムでこの時点トップだったが、ゴール後、廉に対して怒りを爆発。五輪レコード更新の可能性もあっただけに、頭を抱え、スーツを脱ぎながら、廉に対して「なぜだ!」とばかりに両手を広げて激怒。声を荒げ、激しいジェスチャーで背中を叩いた。
オランダのファンが多く駆けつけ、オレンジに染まったスタンドは騒然。廉は失格となり、ベンネマルスは単独走での再レースに挑んだ。大歓声に包まれながら懸命に滑ったが、タイムは伸びず、最初のレースのタイムを上回れなかった。最初のレースのタイムが採用され、5位のままとなった。
レース後、オランダのジャック・オリエコーチは問題に言及。「選手はこの日のために懸命に努力してきた。あんなふうに阻まれるなんて。本当にひどい」と嘆き、「コーチとして受け入れるのが辛かったし、見るのも辛かった。ユップ(ベンネマルス)がどんな気持ちだったか。想像もつかない」と選手を慮った。疲労が残る中での再レースは「メダルを狙うのは難しいだろうと分かっていたが、スタートすればチャンスはある。それを逃したくはない。彼がもう一度挑戦したことを誇りに思う」と語った。
ベンネマルスはレース後「何が起きたのか信じられない。僕が優先権を持っていた。彼はこのレースでは脇役にすぎないことを自分でも分かっていたはずです。全く理解できない。メダルは確実だった。100%です」と怒りが収まらず。廉からは謝罪を受けたが「何の足しにもならない。少なくとも銅メダルは僕のものだった。でも僕はただの5位の選手。本当に辛いです。今日は僕の日になるはずだった。本当に本当に悔しい。メダルを奪われた。その痛みが消えない」と、嘆いた。
