ワリエワ 祖父の心臓薬摂取は「非現実的」専門家が指摘 検体に新事実も 米報道

 公式練習で調整するワリエワ(撮影・堀内翔)
 公式練習で調整を行った坂本花織。手前はワリエワ(撮影・堀内翔)
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 「北京五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(17日、首都体育館)

 昨年12月に判明したカミラ・ワリエワ(15)=ROC=のドーピング陽性は同選手の祖父の心疾患治療薬を摂取したためとの同選手の弁護士の主張に対し、ドーピング専門家が「非現実的」と否定的な見解を示した、と15日(日本時間16日)、米誌ニューズウィーク電子版が伝えた。また、ニューヨーク・タイムズ電子版は陽性反応を示したワリエワの検体から3つの薬物が検出されたと報じた。

 ワリエワの弁護士らは国際オリンピック委員会(IOC)などの提訴を受けてスポーツ仲裁裁判所(CAS)が13日に実施した公聴会で、陽性反応の要因は同選手の祖父が心疾患の治療薬を服用した際に使った同じコップを使用したためと説明。故意ではなく、“無実”を主張した。

 しかし、ニューズ-によると、禁止薬物検査機関(BSCG)のオリバー・カトリン氏は「薬を砕いて水に混ぜない限り、その説明は筋が通らない」と否定した上で「(検出された禁止薬物の)トリメタジジンは通常、カプセルに入っている。祖父は手で口に入れて水で流し込んでいるはずだから、コップ内に残ることはない」と指摘。「もし粉末が溶けた水であれば説明はつくが、カプセルや錠剤の話をしている状況では論外だ」と語った。

 ワリエワの弁護士がもう一つのシナリオとして提示したと言われている、祖父が置きっぱなしにした薬をワリエワが知らずに摂取した点には「薬物検査で引っ掛かるような物質を口にすることは絶対にない」と言い切ったという。

 祖父は13日の公聴会には出席しなかったが、ニューヨーク・タイムズ紙が入手した公聴会に提出された文書によると、祖父は車内で撮影した動画で心疾患治療薬が入った袋を見せ、発作の時に服用していると証言したという。

 また、同電子版は昨年12月に陽性反応を示したワリエワの検体から心疾患の治療薬であり、禁止薬物のトリメタジジンのほか、禁止薬物に指定されていないハイポキセンとL-カルニチンの計3種類が検出されたと報道。L-カルニチンは脂肪燃焼促進効果があり、通常、ダイエットに使用されるが、過去にドーピングに用いられたことを説明した上で「アンチ・ドーピング機関によると、ワリエワのような若いエリートアスリートの同一検体から複数の物質が見つかるのは極めて珍しい」と記した。

 CASの裁定により、今五輪の参加が認められたワリエワは前日の個人SPでトップに立った。あす17日に行われるフリーで団体に続き、金メダル獲得の可能性が高まるなか、ワリエワ側の今後の対応や同問題の結論が注目される。

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