“生ける伝説”内村に世界が感動!尊敬する父のように憧れる背中を子供に…

 「リオ五輪・体操・男子個人総合・決勝」(10日、リオ五輪アリーナ)

 内村航平(27)=コナミスポーツ=が92・365点で、68年メキシコ、72年ミュンヘン両五輪での加藤沢男以来44年ぶり史上4人目の2連覇を達成した。

 最愛の家族にも最高の結果を届けた。内村はロンドン五輪後に千穂夫人(27)と結婚。この4年で長女の斗碧(とあ)ちゃん(3)、次女の千翠(ちあ)ちゃん(1)の2女のパパになった。斗碧ちゃんはもうパパが何の仕事をしているか理解し始めている。「跳馬の前にやるポーズをやったりするんで。父親として、体操選手として、いつかこういうことをやっていたんだという姿を示したい」。そう誓って乗り込んできたリオだった。

 内村にとって理想の父親像は、実の父・和久さんだ。「父親になって初めて、自分の父親みたいになりたいと思った。普段は何も言わないけど、間違ったことをしたときにかつを入れてくれる。威厳のある父親に」-。

 体操選手だった父は、内村が3歳の時に体操教室を開いた。順風満帆ではなかった。それでもうどん屋でアルバイトもしながら、家庭を守った。幼い時、実家に飾ってあった父の高校総体での金メダルを見て、内村は「僕はパパを超えて、五輪に行って金メダルを獲る」と本気で体操選手になることを決めた。

 ただ、ロンドン五輪で金メダルを獲っても「まだ父は超えられていない」と語り続けた。母周子さんは「人間として死ぬまで超えられないと思う部分があるんじゃないか」と、思いを受け止める。自分の父のように、子供が憧れる背中をこの五輪で見せたかった。

 団体と個人で2つ。ちょうど娘たちの分、金メダルを手にした。日本で見守った妻子に内村は「最高の結果が残せたかな」と胸を張った。ただ、まだまだ威厳は身につかない。「五輪までかなり気を使わせちゃったし、あまり自由のない生活をさせてしまった。本当に帰ったら存分にこき使ってくださいって伝えたい」。体操場で最強で最高にカッコ良かったパパは、一瞬にして家でちょっぴり立場の弱いパパの顔へと戻ってしまった。

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