松本、豪快『がぶり返し』で銅獲得!

 「ロンドン五輪・レスリング男子グレコローマン60キロ級」(6日、エクセル)

 6日、グレコローマンの男子60キロ級3位決定戦で、松本隆太郎(26)=群馬ヤクルト販売=がアルマト・ケピスパエフ(カザフスタン)にフォール勝ちし、銅メダルを獲得した。グレコローマンでは2000年シドニー大会で銀メダルを獲得した永田克彦(後にプロ格闘家に転向)以来のメダル。フリースタイルと合わせた男子の日本勢は出場した15大会連続のメダル獲得となった。

 1対1で迎えた第3ピリオド。必殺技『がぶり返し』で相手をフォールし、メダル獲得を決めると、松本は両拳を握りしめてガッツポーズ。バック宙を決めて歓声を浴びた。陣営の元に駆け寄って伊藤広道、松本慎吾両コーチと抱き合い、肩車されて拳を高く突き上げ、スタンドの応援団と喜びを分かち合った。

 グレコローマン再興の使命を背負った。「レスリングは女子が取り上げられ、男子もフリースタイルの方が中心。ここでグレコの存在感を示したかった。これで次の選手にいい形でつながった」。会心の笑顔だった。

 グレコは上半身のみでの攻防。松本は「ダイナミックなプレー、大技はフリーより高い確率で見える」と魅力を語る。相手の脇に手を入れ、豪快に投げる『がぶり返し』は「3カ月前からやってきた。無我夢中で出した」と振り返った。

 小学校入学前、群馬体協のスポーツ教室でレスリングを始めた。中学では野球と並行したが、「個人競技の方が好き」と館林高からレスリング一筋。地元の千代田町は熊谷と館林の間で、真夏は40度近い猛暑となる。「熱中症にならないよう、必ず麦茶と梅干がセットだった」。その先に五輪のメダルがあった。

 富士登山が好きだ。「朝6時から4時間弱で登って2時間弱で下る、頂上という目標への道が険しいほど達成感があり、山小屋でおいしいラーメンが食える。レスリングも頂上への道が険しいが、五輪で勝ったら、富士山の何倍もの達成感がある」と思いを重ねた。

 夢がある。「ギリシャ遠征でパルテノン神殿のオーラが圧巻だったので、外国の世界遺産を回ってみたい」。今後も人生を楽しむつもりだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス