寺地永氏の次男・拳四朗が判定勝ち

 「ボクシング・日本ライトフライ級タイトルマッチ」(27日、大山崎町体育館)

 元日本&東洋太平洋2冠王者・寺地永(ひさし、51)の次男・同級1位・拳四朗(けん・しろう、23)=BMB=が王者・堀川謙一(35)=SFマキ=を判定3-0で破り、デビュー6連勝(3KO)で新王座を奪取。国内では野口進・恭、カシアス内藤・律樹父子に続き、3例目の親子日本王者となった。

 プロ45戦目の王者を寄せ付けなかった。1回からジャブをヒットさせペースをつかむと、多彩なパンチで懐にもぐらせなかった。

 5回終わっての途中採点では最大4ポイント差で3者とも拳四朗を支持。中盤以降、反撃に出た王者をボディー攻撃で止め、顔面に何度も強打を見舞った。KOには至らなかったが、完勝だった。

 「堀川さんが強かったので、勝ってうれしい。前のベルト(ユース王者)よりうれしい。今年は2つのベルトを取り、いい1年。1月6日が誕生日なので、いいプレゼントになった」と、ベビーフェースをほころばせた。

 父のベルトは3歳時に巻いた記憶は残るものの、今は押し入れに眠っている。「さらに強くなって、世界にいきたい。世界王者になります、絶対に」と先を見据え、日本王者では喜ばない。

 ジム会長の父は、防衛を重ねながら、チャンスがあれば来年にも世界初挑戦させる意向。「まだ課題がある。スピードも筋力もアップできる。倒すタイミングを覚えないと。すぐに練習します」とキッパリ。「少しは休もうよ」と、愛息はため息だった。

 父が好きな漫画「北斗の拳」の主人公から「ケンシロウ」と命名された。リング入場曲は漫画の主題歌、クリスタルキングの「愛をとりもどせ」ながら、本人は漫画を読んだことすらない。

 「ラオウ(ケンシロウの最大のライバル)を倒したら、世界王者ぐらいですか?その先にまだ強いやつがいるんですか?」と、報道陣に逆取材した。

 会場となった京都の大山崎町は1582年、豊臣秀吉が明智光秀を討った「天下分け目の天王山」で知られる古戦場。433年ぶり「天王山」は、若武者が歴戦の猛者を制した。「京都で初の世界王者になる。1番を目指し頑張ります」。拳四朗が天下獲りへ向け、本格進撃する。

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