前原太尊 タイソン流丸刈りで2冠奪取だ

王者・柴田明雄(右)と前原大尊康輝
3枚

 「ボクシング・東洋太平洋&日本ミドル級タイトルマッチ」(9日、後楽園ホール)

 前日計量が8日、都内で行われ、東洋太平洋&日本同級王者・柴田明雄(33)=ワタナベ=はリミットの72・5キロ、挑戦者の東洋太平洋同級1位、日本同級5位・前原太尊康輝(22)=六島=は400グラムアンダーの72・1キロで一発クリアした。

 前原は11戦9勝(9KO)1敗1分けで7戦連続KO中の左の強打者。王者との対面に「別にどうでも、気にもならない。リングに上がる前に自然と緊張は高まる。結果を出すつもりでやることをやってきた」と自信満々に語った。

 8月8日、柴田が東洋太平洋4度目、日本3度目の防衛を果たした後の控室に前原が乱入して挑戦を直訴。望んでいた大阪決戦は拒否されたが「敵地でも関係ない」と東京に乗り込んで来た。

 後楽園ホールは13年の全日本新人王でMVPに輝いた地。「場所はどこでも。関西から応援も来てくれるし、結果で応えたい。大阪にベルトを持ち帰る」と言い切った。

 ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(帝拳)を追うミドル級のホープ。村田が判定で米国デビューを飾ったことを聞くと「村田さんは大変。勝つのは当たり前で内容も求められる。僕は判定でも何でも勝てばいいだけ」と力を込めた。

 前日8日には美容院で銀色に髪を染めた後、思い直して1ミリの丸刈りにした。「よく考えたら挑む立場。格好をつけるのは早いなと。まだ王者じゃない。いきがったらいかん。中途半端じゃいかん。これがスタートの思いを込めた」と魅せるのはリングの上だけだ。

 「ただの丸刈りなら、かわい過ぎるから」と好きなマイク・タイソン同様、頭部の左側にはラインを入れた。勝てば2冠に加え、世界ランクも手に入る大一番。聖地・後楽園ホールで“浪速のタイソン”をアピールする態勢は整った。

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