ピース又吉 芥川賞候補に嬉しさと不安

 著作「火花」が第153回芥川賞候補となったお笑いコンビ・ピースの又吉直樹(35)が20日、都内で心境を語った。「ああ…ありがとうございます。うれしいですよ。不安もありますよね」といつものボソボソとした口調で語った。

 芥川賞は一般的に純文学の新人作家に与えられる賞。「今まで好きになった作家さんで芥川賞に選ばれているのは結構多い。好きなジャンルでもありますね」と語った。

 候補になったという連絡は担当編集者を通じて、同賞を主催する日本文学振興会の担当者から受けた。移動中だった又吉は当初、「(日本文学振興会を指し)複雑な名前(の組織)なんですよね…」と事情を飲み込めず。「わけがわからんから偉い人に怒られるんかなと思って」と身構えていると、「候補作となる意思がありますか」、と聞かれ、ようやく「ありがとうございます」と候補となったことを受け入れられたという。

 選考会は都内で7月16日に行われる。「(芥川賞を)とれたらうれしいですね」と、率直な思いを明かしたが、「自信はないですね。正直。何%というよりも、どういう風に読んでいただけるんだろうという怖さというか(がある)」と、伝統ある賞で評価されることへの重圧も感じていた。当日は都内におり、選考会の直後は時間を空けておける状態だという。受賞に値するとの評価があると水を向けられても「他の作品とのことがありますから。読めていないですけど比較がありますので、難しいというか…」と控えめだった。

 “本業”の漫才界で栄誉ある「M-1グランプリ」と比べ、どちらの方が受賞するのが難しいかという質問も出たが、「どっちなんでしょうねえ…。人数的に言ったら、もしかしたらM-1の方が人数は多いんですかねえ。あとは2人でやる難しさがありますね」と、M-1優勝の難しさも強調していた。

 この日は又吉が弟子入りした、俳人・堀本裕樹氏との共著「芸人と俳人」(集英社)刊行記念のイベントに出席した。これにちなみ、芥川賞候補となった心境を俳句で表現してほしいと促されたが、「お言葉を返すようですが、(今すぐ)1600字で記事にしてくださいというのと同じですよ。1時間もらえますか!」とかたくなに断っていた。

 芥川賞の候補は以下の6作品。内村薫風「MとΣ」、島本理生「夏の裁断」、高橋弘希「朝顔の日」、滝口悠生「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」、又吉直樹「火花」(作家の五十音順)。

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