村上春樹縁の神戸のピザ店で残念会

 2013年のノーベル文学賞が10日、カナダの女性短編作家アリス・マンロー氏に決まり、今度こその期待が高まっていた村上春樹氏の受賞は今年もならなかった。村上氏が兵庫県芦屋市に住んでいた時に通い、エッセーでも言及した神戸市中央区のイタリア料理店「ピノッキオ」には文学ファン約10人が集まって吉報を待ちわびたが残念な知らせに店内はため息に包まれた。

 今年こその受賞を信じた同店オーナーの山中崇裕氏はお祝いの垂れ幕を用意していたが、昨年に続き掲げることはできず「今年はと思ったんですが…。楽しみは来年に延ばしましょう」と無念そうに述べ、来店者に“残念シャンパン”を振る舞った。

 村上氏は阪神・淡路大震災発生から2年後の1997年に同店を訪問。シーフード・ピザと生ビールを注文した。

 同店は創業以来、ピザに通し番号を付けて客に提供しており、村上氏が食べたピザが「958816」だったことからその番号を再現したシート付きのセットメニューを用意。価格は小説「1Q84」にちなみ1984円で提供することも決まっていたが、昨年に続き日の目を見ることはなかった。

 神戸市内の高校に通っていた村上氏は10代から同店に通い、阪神・淡路大震災後に神戸を訪れて同店が健在であることを確認したという。97年には兵庫県西宮市から神戸市まで約20キロを徒歩で移動し、同店を訪問。シーフード・ピザを食べて生ビールを飲んだことをエッセー「辺境・近境」に記した。

 その後、村上氏のまねをして1人で来店してピザとビールを注文する男性客が増えたという。

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