最終戦を１２位で終え、フェデックスカップ最終ランクを１６位タイで終えた松山英樹。だが、数字より何より、彼が一番残念に思っていたのは今季１勝も挙げられなかったことだ。「優勝するために何が足りないか。何が必要か。しっかり考えて来シーズンにつなげたい」。

　最終戦を制し、総合優勝に輝いたジョーダン・スピースは今季５勝。プレーオフ第１戦と第３戦を制したジェーソン・デーも今季５勝。プレーオフ第２戦を制したリッキー・ファウラーは今季２勝。米ツアーというピラミッドの頂上付近を占めているのは松山と同年代の若き選手ばかりだ。

　そのピラミッド上層部に「入れそうだと思えている？」と尋ねたとき、先週の松山は「そこは気にしてない。入っていこうとも思ってない。毎試合いいプレーができたらいい」。

　だが、上層部にいる側は松山のことを気にかけている。デーは全米プロの優勝会見でも今大会終了後も「僕やジョーダンだけじゃなく、リッキーやダニー・リー、ヒデキ・マツヤマがいる今のゴルフはとてもいい状態」。デーが再び自分の名を口にしたと知った松山は「何だって？」と興味津々。そして「僕もあそこに入りたいなー！」。シーズン最後に本音が聞けた。（在米ゴルフジャーナリスト）