佐々木朗希「特別な日、変わらない」 初めて国外で迎える3・11 アメリカでの新しい挑戦に「感謝」
ドジャースの佐々木朗希投手(23)が東日本大震災から14年となる11日、球団を通じて「特別な日であることに変わりはありません」と心境をつづったメッセージを発表した。自らも被災し、家族や友人の命を奪った未曽有の災害。哀悼の意と感謝の気持ちを胸に、夢だったメジャーリーグの舞台を目指す。
思いは不変だ。どんなに時間が過ぎても、どんなに日本から遠く離れていても。3月11日。故郷の岩手県陸前高田市から約8800キロ離れたアリゾナの地から、佐々木が東日本大震災についての心境を文字でつづった。
「今年は日本以外で迎える初めての3月11日ですが、自分にとって特別な日であることに変わりはありません」
津波が父の、祖父母の、そして友の命を奪った。2万人を超える死者・行方不明者を出した未曽有の災害。「自分が小学生だったあの日から14年という月日がたち、今こうしてアメリカで新しい挑戦をさせてもらえていることに、これまで支えてもらったたくさんの人たちに改めて感謝の気持ちでいっぱいです」。9歳だった当時を振り返り、あふれる思いを文字にした。
自宅が流され、母陽子さんの親族が暮らす同県大船渡市に移り住んだ。青春時代を過ごした場所では今月に入り、大規模な山林火災が発生した。「故郷では新たな自然災害が発生し、多くの方が被災されたことに胸を痛めています」。その思いを行動に移し、同市に見舞金1000万円と寝具500組を寄付した。
順調なら19日に東京ドームで行われる開幕第2戦に先発する。米国時間の「3・11」にはガーディアンズとのオープン戦の登板が予定されている。メジャーデビュー前、最後の実戦マウンドに向けて、この日はブルペンで24球を投げた。
「一野球選手の自分にできることは本当に限られていますが、これからも変わらず故郷とつながっていたいと思います」
自分にできること。右腕を振り、捕手のミットに向かって魂の1球を投げ込む。やるべきことは変わらない。


