大谷翔平「幸せ」 憧れ松井に並んだ日本選手最多175号「日本の野球界にとって大きい」

 1回、左中間へ4号ソロを放ちヒマワリの種で祝福される大谷(ロサンゼルス・ドジャース提供)
 1回、4号本塁打を放ち、ベンチでタッチを交わすドジャース・大谷。松井秀喜の日本選手最多に並ぶメジャー通算175号をマークした(共同)
 1回、4号本塁打を放ち、ベンチでタッチを交わすドジャース・大谷。松井秀喜の日本選手最多に並ぶメジャー通算175号をマークした(共同)
3枚

 「ドジャース7-8パドレス」(12日、ロサンゼルス)

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)が12日(日本時間13日)、ロサンゼルスでのパドレス戦の一回に4号ソロ本塁打を放ち、松井秀喜の日本選手最多に並ぶメジャー通算175号をマークした。さらに五回の二塁打で日米通算1000安打に達すると、七回にも二塁打を放ち3安打と活躍。試合は7-8で敗れたものの、一つの節目を迎えたアーチの価値は色あせない。

 見送ればボールになる外角154キロ速球を、力と技術で左中間席へ一気に運んだ。飛距離123メートル、打球速度173キロ。初回1死で放った逆方向への一発は、絶好調の証し。メジャー7年目。717試合、2941打席目にかけたメモリアルアーチ。「率直にうれしいですし、日本の野球界にとっても大きいことではないかなと思います」。日本人のトップに並んだ心境を言葉にした。

 通算175本塁打は松井秀喜が2012年に樹立した記録。大谷が花巻東から日本ハムにドラフトされた年だった。「長距離バッターとして、僕が小さい頃から見てきて、同じ左バッターとして憧れてるような存在でもあった。そういう方に記録で並べたというのはすごく幸せなことだなと思います」。ドジャースタジアムの通路で少年時代にタイムスリップした。

 昨オフにド軍と10年7億ドル(当時約1015億円)で合意。期待を集めた中、開幕から40打席ノーアーチ。打球に角度がつかない打席が続いた。

 「打球の角度はスイングの軌道で決まる。そのスイングの軌道は構えで決まる。なので、構えが大事だというのが僕の考え方」

 苦しみながらも大切にしたのはスイング後の打撃感覚だ。出塁直後の塁上や、凡打してベンチに戻る途中のフィールド上で、打撃フォームを必ず確認。一塁に走りながら右腕でスイングの形を再現したことも一度や二度ではない。「次はどんな軌道で振った方がいいのか、イメージしておかないと。直後が一番落とし込める」。理想を追い続けた結果がここにある。

 開幕直後、水原容疑者による大スキャンダルに巻き込まれた。裁判記録では大谷も事情聴取を受けたが、聴取を終えた3日に待望の1号を放ち、そこから8戦4発。この日は本塁打と2二塁打の固め打ちで連続試合安打を「8」とし、日米通算1000安打も達成だ。

 昨季はリーグ最多の44本塁打で日本人初のタイトルを獲得。「(自分は)体も大きいし、長打は一つの売りではあるので、そこの強みを生かしていきたい」。そこにあるのはアーチストとしての自覚とプライド。「『次の1本』というのが基本的な考え方。1本打ったら次の1本が大事」。先人たちが打ち立てた記録を越えていくことが、野球界の発展につながることを大谷は知っている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

大リーグ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(大リーグ)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス