エンゼルス・大谷が11号弾で“新かぶと担当”が出迎え 前任のフィリップスは“戦力外”に
「エンゼルス2-6ツインズ」(20日、アナハイム)
マウンド上の投手が、右翼方向の空を見上げてすぐに目を伏せた。打球角度33度、飛距離126メートルの豪快な一発。黒バットが奏でた心地よい打球音が、一瞬にして地元ファンの歓声と拍手にかき消された。
3点を追う六回だった。ここまで2打席無安打に抑えられていたエンゼルス・大谷が、フルカウントから甘く入った151キロ直球を完璧に捉えた。チーム単独トップの11号。地元中継局の看板解説、マーク・グビザ氏が放送ブースから「ドンピシャリ!ショウヘイ、なんというスイングなんだ!」と感嘆の声を上げた。
球団恒例の本塁打の儀式。ベンチ前でかぶとを持って出迎えたのは、ボール・ボーイのスティーブ・パルドさんだ。この日の試合前に球団は控え外野手のフィリップスを事実上の戦力外に。ムードメーカー、そして、かぶと担当としてチームをもり立ててきた。
フィリップスの“後任”になったパルドさんは、21年に敬遠で歩かされた大谷が笑顔で道具を手渡していた間柄。「ショウヘイはつつましい人間だと思う」。選手と裏方の分け隔てなく接する態度に感銘を受けた一人だった。
チームは大谷の一発で2点差に詰め寄ったが、次の一本が出ず、直接対決は1勝1敗の五分となった。きょう21日のデーゲームで投打同時出場する予定の大谷。『ショウ・タイム』で5カードぶりの勝ち越しを目指す。





