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MLB乱闘 原因は死球ではなく敵軍コーチのヤジ「言ってはいけないことを言った」

 9日(日本時間10日)の米大リーグ、アスレチックス-アストロズ戦で勃発した乱闘についてアスレチックスのロレアーノが激怒して敵軍ベンチに突進した理由はアストロズのシントロン打撃コーチの卑劣なヤジだった、と10日(同11日)、米スポーツ専門局ESPN(電子版)がロレアーノ本人の証言として伝えた。

 米大リーグ機構(MLB)が定めた新型コロナウイルス感染防止の規定に違反する乱闘が起こったのは、アスレチックスが6-2でリードした七回、ロレアーノが左肩に近い背中に死球を受けた後だ。五回の打席でもほぼ同じ箇所にぶつけられている同選手は苦悶の表情を見せながらマウンド上の中継ぎ右腕カステヤノスに向かって大声を上げた。2日前の試合でも延長十二回に同投手から死球を受けていただけでなく、この3連戦でアストロズ投手による死球は5つ目。冷静でいられるわけがなかった。

 不穏な空気が漂う中、球審はソーシャルディスタンスを守るように厳しく注意。アストロズの捕手マルドナドや味方選手になだめられたロレアーノは感情を抑えてゆっくりと一塁へ歩いた。これで事態は収束。そう誰もが思った矢先だった。一塁側のアストロズベンチからシントロン打撃コーチがロレアーノに向かって野次を飛ばして挑発したのだ。

 「彼はスペイン語で僕の母親について言ってはいけないことを言いました」

 ESPNの取材に対し、そう答えたロレアーノ。その言葉を耳にした瞬間、完全にブチ切れ。鬼の形相でヘルメットを脱ぎ捨て敵軍ベンチに向かって突進した。アストロズ選手のタックルに阻まれ、同コーチまでたどり着くことはできなかったが、この時点で両軍ベンチは空っぽ。アスレチックスの捕手アレンの周辺では別のバトルが勃発するなど、約7分間の中断の後、球審はロレアーノとアレンの2人に退場を命じた。

 ESPNによると、ドミニカ共和国出身のロレアーノは一人っ子で高校生の時に単身渡米。言葉の壁に苦しみながらも勉学に励んでノースイースト・オクラホマ農工短大へ進学。14年ドラフトでアストロズから16巡目で指名を受けてプロの道へ進んだ。

 「両親は僕のために自分たちの人生を犠牲にしました。僕の夢をかなえるためにたった1人の子供を異国の地へ送り出すという難しい決断をした。親元を離れて10年になる。つらいです。そんな僕に向かって彼(シントロン)は母に関することを言った。許せなかった。あの瞬で僕の中で炎が燃え上がりました」

 そう話す一方で同選手は自身の行動を猛省。さらには自分の突進をタックルで止めた敵軍控え捕手のガーノーに対しては「ずっと僕のことを守ってくれていたんです。倒れて下敷きになった僕に『大丈夫か?』と心配してくれて。僕が『ありがとう』と言うと『気にすんな』って。彼にはリスペクトしかありません」と話した。

 大リーグでは複数の球団で集団感染が発生するなど、MLBは新型コロナウイルスの問題に非常に神経質になっている。今回の乱闘は厳罰必至と言われている中、ロレアーノの“釈明”はどこまで考慮されるのか。近日中に発表される処分内容が注目される。

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