０８、０９年にサイ・ヤング賞を受賞したティム・リンスカム投手（３３）が所属先のレンジャーズから戦力外通告を受けた、と大リーグ公式サイトが５日（日本時間６日）、伝えた。

　エンゼルス時代の１６年８月５日のマリナーズ戦を最後にメジャーの舞台から遠ざかっていたリンスカムは昨年オフにＳＮＳで自主トレの様子を投稿。別人のような筋骨隆々の肉体美と力強い速球を披露して話題となった。

　２月に行われた公開練習では心配された直球の球速が９３マイル（約１５０キロ）をマークするなど、復活を印象づけ、３月上旬にレンジャーズと１年１００万ドル（約１億１千万円）で合意。中継ぎ投手として２年ぶりのメジャー復帰を目指したが、右手中指のまめの影響で開幕から故障者リストに入った。

　リハビリではマイナー３Ａで１０試合に登板したが、１２回２／３を投げて１４安打１２失点、１０奪三振１０四死球、防御率５・６８と結果を残せず。同サイトによると、リーグが規定する３０日間のリハビリ期間がこの日で切れたため、球団は同投手が入る中継ぎの枠が空いていないと判断したという。

　リンスカムは０６年ドラフトでジャイアンツから１巡目全体１０位で指名されてプロ入り。翌年５月にメジャーデビューを果たし、０８年から７年連続で２桁勝利を挙げるなど、先発陣の柱として１０、１２、１４年のワールドチャンピオンに貢献した。１６年にエンゼルスへ移籍し、メジャー通算１０年で１１０勝８９敗、防御率３・７４の成績を残している。