タイガース“幸運のガチョウ”で連勝 前夜は救出劇で大盛り上がり

 ベンチ前に“幸運の水鳥”を置くタイガースの選手たち
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 「タイガース6-2エンゼルス」(5月31日、デトロイト)

 タイガースのベンチに突如、登場したガチョウの置き物。ことの発端は、エンゼルスの大谷が登板した前夜の試合だ。

 2度にわたる降雨中断。1羽のガチョウが球場内に迷い込んだのは2度目の中断となった六回表だ。外野の芝生でエサ(?)をついばむ愛くるしい姿にスタンドが沸く。41分間の中断。雨が止み、再開時間が迫っても飛び立つ様子を見せない。業を煮やした球場職員が追っ払おうとしてもガチョウはガンとして動かず。フィールドが歓声に包まれた。

 いよいよ本気になって追いかけ始める職員。優雅に飛び立つかに見えた矢先、ガチョウは一塁側2階席の電光掲示板に激突、そのまま1階内野席に落下した。悲鳴と静寂。幸運だったのは観客の中に獣医の女性がいたこと。慣れた手つきで抱きかかえられ、スタンドの拍手の中、医務室(?)へ運ばれた。

 両軍ベンチから選手たちも見守った“救出劇”。六回裏に場内大型スクリーンに「ガチョウは元気になりました。解放されました」とアナウンスされると、観客席から大きな歓声が上がった。

 その直後にタイガース打線が爆発する。大谷のあとを受けたエンゼルスの中継ぎ陣から4本の単打と2四死球で一挙5点を奪う。地元メディアの報道ともにSNSでも「幸運のガチョウ」、「反撃のガチョウ」と話題になった。

 一夜明けてもガチョウ人気は収まらない。球団広報部が作成するメディア用に配布する「ゲームノート」には「ダック」、「羽」、「巣」、「卵」といったガチョウにまつわる単語を使ってチーム情報を提供。ガチョウを手当てした獣医を球場に招待し、始球式にも登場。試合前には中継局のインタビューも受けていた。

 タイガースの選手たちもノリノリでクラブハウスにハンティング用と思われるガチョウの置き物を持ち込み、試合中はお守りとしてベンチに置いた。試合は初回に5長単打で5点を奪って快勝。ゲームセットの瞬間、ガチョウの置き物も選手に抱きかかえられて勝利の儀式に加わった。

 タイガースには主砲のカブレラやマルティネスらベテラン選手が存在するが、すでに再建モードに入り、昨季は両リーグワーストタイの64勝98敗。今季も苦戦が予想されているが、この日の連勝で26勝30敗。勝率5割を切っているが、ア・リーグ中地区2位と健闘している。

 試合後のクラブハウス。前夜の試合で大谷と投げ合ったファイアーズは満面笑みを浮かべて「今日もガチョウが効いたね。このまま勝ち続けるといいけどね」と言った。ひょっとしたらひょっとする。鳥肌が立つようなエンディングが待っているかもしれない。

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