大谷と初対決の人類最速左腕「いいスイングをしていた」渾身の164キロで遊ゴロ

 「ヤンキース2-1エンゼルス」(25日、ニューヨーク)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)は「5番・指名打者」で出場し、3打数無安打1四球だった。3試合ぶり、スタメン出場25試合で5度目のノーヒットで打率を・309とした。チームは1点差で敗れた。

 最速169キロを誇る人類最速左腕、ヤンキースの守護神アロルディス・チャプマン(30)が初めて大谷と対戦した。

 1点リードの八回2死一塁。今季20試合目の登板で初めてイニングまたぎは「六回の時点でリードすれば今日は4アウトの可能性があると言われていた」と振り返る。

 超満員4万6056人が詰まったヤンキースタジアム。自身への大歓声と大谷へのブーイングが交錯する異様な空気の中、初球、100マイル(約161キロ)の剛球が外角低めに外れた。続く98・9マイル(約159キロ)の外角低めが暴投になり、走者は二塁へ。2球連続の外角球は先発セベリーノと同じ攻め方。前回4月27日の試合で大谷がセベリーノの156キロ内角球を右越え本塁打にした印象が残っていることをうかがわせた。

 3球目、高めに浮いた99・7マイル(約160キロ)に大谷が反応する。ボールの下をこすった打球は真後ろへのライナー性のファウル。紙一重。タイミングは完全に合っていた。スタンドがどよめく。

 4球目、再び高めに浮いた100・3マイル(約161キロ)。大谷が渾身の力でバットを振り抜く。左翼ポール際への大ファウル。さらに大きくなったどよめきの中に悲鳴が混じる。思わず、打球の行方を確認したチャプマン。「僕の角度からは打球がスライスしてファウルになるのは分かっていた」。試合後にその場面の質問を受けた瞬間、にやりと笑った。

 カウント2-2。三振を期待する地元ファンが総立ちになって声援を送る。人類最速左腕がギアを上げる。外角高めの101・9キロ(約164キロ)。大谷のバットが三たび、反応する。打球は二塁ベース付近へのゴロ。あらかじめ、“大谷シフト”を敷いていた遊撃手がさばく。大歓声を受けてマウンドを降りる守護神。

 最後はスライダーの可能性もあったことを明かしながら直球で押した理由を「積極的にストライクゾーンを攻めたかった」と説明した。

 見る者の心を動かした力と力の勝負。「いいスイングをしていたよ」。メジャー屈指のクローザーが充実感いっぱいの表情を見せた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

大リーグ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(大リーグ)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス