イチロー生涯マリナーズ 特別アドバイザー就任、残り試合は出場せず 日本復帰消滅

 米大リーグで歴代21位の通算3089安打を放ったマリナーズのイチロー外野手(44)=本名・鈴木一朗=が球団の特別アドバイザーに就任し、選手としては今季の残り試合に出場しないことが3日、複数の球団関係者の話で分かった。ベンチ入りの25人枠から外れるが、球団と生涯契約を結んでチームに同行し、練習しながら選手らをサポートする。来季以降は試合出場も可能という。米国時間3日(日本時間4日)に発表される。

 イチローが半永久的にマリナーズにとどまることになった。関係者によると、メジャーでも極めて異例の契約内容。本人は従来50歳まで現役続行を公言するなどプレーをする意欲は高く、来季以降にマリナーズの一員として故障者が出た場合などに選手としてプレーする可能性があるという。ユニークな契約内容は本人と球団双方の思惑が一致したもので、この契約を結ぶことで日本球界に戻る可能性はなくなった。

 当初は故障したレギュラー選手の代役として白羽の矢を立てられた。6年ぶりに思い出深いシアトルに戻ったが、キャンプ途中での合流や右ふくらはぎ故障、実戦での調整不足などが影響し、数字上は振るわない。

 しかし、豊富な経験やムードメーカー的な言動で若いチームメートらを支え、ここまで17勝12敗とチームの好スタートに貢献。首脳陣や選手間での存在感はフロント陣の期待以上だという。かつての球団の象徴、将来の米国野球殿堂入りが確実な功労者という意味もあわせ、生涯マリナーズの一員として働いてほしいという声が球団内で強まっていた。

 一方のイチロー選手も3月の入団記者会見で「それまで当たり前のようにあったものが全くそうでない、特別なものだった」と話したように、マリナーズと本拠地シアトルへの強い思い入れがある。「今、マリナーズが必要としていること、僕がそこに力になれるのであれば何でもやりたい」

 イチローは2日のアスレチックス戦に「9番・左翼」でフル出場し、3打数無安打、1四球。これが今季の最後の試合となった。今季は試合に出場できないことで、今後の現役生活にはマイナスだろう。それでも、チーム再建のためイチロー選手がひと肌脱ぐ。

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