ヴィレヴァン新京極店、5月末閉店……惜しむファン続々 17年勤務店員「みんな一生懸命やっていた人たちばかり」

2009年、京都・河原町にオープンした「ヴィレッジヴァンガード新京極店」(京都市中京区)が5月31日をもって閉店する。

新京極商店街内のビル2階に位置し、近年減りつつある“路面店”として、京都を訪れる観光客や地元の人々から愛されてきた新京極店。

Lmaga.jp編集部は閉店が迫る同店を訪れ、かつての人気店・京都北山店(2014年に閉店)でも勤務し、新京極店オープンからの17年間を見つめてきたスタッフ・東さんにインタビュー。新京極店ならではのこだわりや「ヴィレヴァンらしさ」について訊いた。

■ 本屋から始まった「ヴィレヴァン」、そのスタイルを受け継ぐ新京極店──3月1日に公式X上にて閉店が告知されましたが、反響はどうでしたか。

今、入り口の近くにメッセージを書いてもらうコーナーを設けているんですが、本当にたくさんの方が書いてくれて・・・。この店に愛着を持ってくださる方がたくさんいて、それぞれがこだわりをもって何かを選んで、何回も足を運んで来てくれたんだな、ということに改めて気づきました。

──このエリアだと、観光客や修学旅行生も多そうですね。

海外からの観光客だと、私たちよりカルチャーに詳しい人もいますね。お会計しながら、ひそかに「ええもん買っていかはるな」と思うほどです(笑)。

観光客の方が直接「本当に楽しかった」って伝えてくれることもあるんですが、生の声を聞けるとよかったなと思います。なかには朝一度来店し夕方になってまた来てくれてる人や、2日連続で来てくれる人もいるんですよ。

──ヴィレヴァンをよく知る東さんが思う、「いい店」というのはどういうお店なんでしょうか。

もちろん商品セレクトが個性的なお店も面白いですが、私が思う「いいお店」というのは、1つ1つの商品を大切に置いているお店ですね。たくさんの商品が置いてあって情報量が多い店でも、1つ1つに対して愛着を持って置いてる店って、その気持ちがなんとなく伝わってくるんです。

──最近のヴィレヴァンはアニメグッズやコスメといったトレンドアイテムも増え、以前とはまた品揃えが異なっている印象です。

私は昔からこの河原町で働いてたんですけど、一時期ブームが来て雑貨屋さんが山盛りできた時期があったんです。でも、やっぱり時間が経ったら一気に潰れてしまって。

時代って、どうしても変わっていくじゃないですか。だからヴィレヴァンも、形を変えて、試行錯誤する時にいろんなカルチャーを取り入れて。私の勝手な考えですけど、こうやって時代が変わっていって形を変えなかったら、この会社もなかったんじゃないかと思うんですよね。

──変わりゆく時代のなかで、この新京極店はどういったお店を目指していたんでしょうか。

お客さんにとって、なにか「はじめまして」みたいなものがある店になっていたらいいなと思います。商業施設に入る店舗もまた需要や魅力がありますが、こういった路面店だからこそ、お客さんそれぞれが「これいいな」と発見したり、何かをひらめいたりとか・・・。そういうものが与えられる店舗になれていたら嬉しいです。

──なるほど。そんななか、新京極店らしさを挙げるならどういったところが特徴的でしょうか。

元々「ヴィレッジヴァンガード」は、本屋からスタートしました。当初は雑貨などがメインじゃなく、本屋の片隅に商品を置くというコンセプトだったんです。そして京都北山店は取り扱う本の数が一番多くて、ヴィレヴァンのスタイルを体現している店だったんですね。

最近は本をたくさん扱う店舗が減りつつあるんですが、新京極店は、私や前の店長が本好きだったこともあって他の店と比べても本が多いんです。私も京都北山店では本を担当していましたし、特に強いこだわりを持っていたと思いますね。

だから退店に向けて徐々に商品を返品し始めているんですけど、本のコーナーだけは残したいなと思って。この間ちょうど、私の好きな本コーナーを作ったんです(笑)。

──閉店まで残り1カ月ほどとなりました。来店されるお客さんに、メッセージをお願いします。

私が言うのもなんですが・・・今働いている私たちも、以前このお店にいた店長も、一生懸命やっていた人たちばかりです。その人たちの分まで気持ちも込めて、最後まで大事にしたいと思っているので、みなさんが来てくださって本当にありがたいです。そうやって大事にしてもらって、1人でも多くこの店のことを覚えてくれたら嬉しいなと思います。

インタビューをしながら店内を見回っていると、写真集や漫画、デザインやイラストにまつわる本など、確かに本のコーナーが充実している。

そしてコスメやキャラものというキラキラしたアイテムの狭間に、中国のおもちゃや光るタワーの置物、ドリームキャッチャーなど、最近の雑貨店ではなかなか見られないような謎アイテムも潜んでおり、さながら宝探しのような気分が味わえた。

誰かとおしゃべりしながら店内をひやかしたり、お気に入りの本や面白い雑貨を探す。こんな“ヴィレヴァンらしい”時間を過ごしたい人は、閉店前に一度訪れてみてほしい。

「ヴィレッジヴァンガード 新京極店」は5月31日をもって閉店。一部商品の50%OFFセールやメッセージボードなど、閉店に際したイベントも実施中だ。

取材・文/つちだ四郎 写真/Lmaga.jp編集部

(Lmaga.jp)

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