即完売ツアーも...“映画舞台や女学校”など、貴重な80軒を初&限定公開!「建築祭」が神戸で

2023年からスタートした神戸の建築イベントが、今年から『神戸建築祭』として5月8日から開催。今回は初公開や限定公開などを含む過去最多の68件が見学できるとあって注目されており、通常は見学できない2つの建物を中心に見所を紹介する。

■ 歴史を伝える...初公開の建物も異人館や旧居留地などを中心に、垂水区や阪神間にもエリアを伸ばして開催される同イベント。第二次世界大戦や阪神淡路大震災を乗り越えた貴重な建物から、土木遺産まで幅広く公開することも特徴になっている。

公開する約68件のうち新規は24件も。これまで参加したことがある人も、まだ見ていない建物見学が楽しめる。そのうちのひとつ、一般見学を受け入れるのが初となる「旧加藤海運本社ビル」は、湊川・兵庫エリアにある、大きなアール窓から港が一望できる建物だ。

『神戸建築祭』実行委員長の松原永季さんは、「建築年や設計者は不明ですが、会社の歴史やさまざまな外観の特徴から昭和12年ごろに建てられたのではないかと。建物の角が丸いのが特徴で、2階の横に長い窓などがモダンなデザインになっています。この辺りは第二次世界大戦の空爆などで多くの建物がなくなってしまったため、歴史を伝える建物として重要です」と話す。

ここは映画『アルキメデスの大戦』や『スパイの妻』など多くの撮影場所としても使用された。2階の部屋が主に使われ、豪華な腰壁や床の白いラインなどは映画のセットがそのまま残されている。「アールデコの要素を残すモダン建築であると同時に、映画のロケーション現場としての価値も蓄積された建物」と、松原さんは言う。

■ 普段は関係者のみ!女子大学もツアーに次に紹介するのは「神戸女学院」。関係者しか門をくぐれない同学院には、12頭もの建物が国の重要文化財になっている。設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏だ。

ヴォーリズ氏は大正末期から昭和初期にかけて関西エリアを中心に住宅など多くの建物を設計しており、商業施設としては「大丸心斎橋店」、学校施設としては「関西学院大学」の設計でも知られる。「神戸女学院」は、ほぼオリジナルの建物群が残っており貴重...にもかかわらず、小高い山の上にあり敷地外からはほとんど校舎が見えないため謎に包まれた存在だ。

「神戸女学院」と「関西学院大学」は広場を建物が囲う配置になっていること、正面に知の象徴である図書館があること、白っぽい壁に赤や黄色のレンガ屋根が特徴のスパニッシュ様式という点では似ている。しかし「神戸女学院」には窓周りなどにタイルが多く使われるなど細やかさがあり「女子校としての特徴が感じられる」と神戸建築祭実行委員の解説もあった。

現地で解説を聞きながら実物を間近にみることで、写真では気がつかないようなタイルの色合いや、義石の模様、空間のダイナミックさなどに発見があるのが、解説つき見学の醍醐味だ。

ほかに「ヨドコウ迎賓館」、「帝国新栄本社ビル」(初公開)、「こども本の森」、「海岸ビルヂング」、「神戸市立博物館」、「神戸市立御影公会堂」、「湊川隧道」なども対象。「神戸北野ノスタ」でイベント連携企画もおこなわれる。また「神戸女学院」はクラウドファンディングツアーの申し込みで見学できるが、昨年も1番人気で完売したツアーなので、興味がある人は早めの申し込みがオススメ。

『神戸建築祭2026』の開催は、5月8日から10日まで。パスポートはオンライン販売。ガイドツアーはオンライン受付後に抽選。クラウドファンディングは専用サイトから申し込み。見学は3パターンあり、開催期間3日間にパスポートで自由に見学できる「パスポート公開」、知識がある人に建物を案内してもらえる「ガイドツアー」(4月27日~)、専門家による特別ツアー「クラウドファンディングツアー」(4月25日~)。

参加建築数は今後増える可能性あり。ほか詳細は公式サイトにて。

(Lmaga.jp)

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