万博カナダ館でミステリーハント…赤毛のアンの家、一角獣…老若男女が楽しめる仕掛け多数

開催中の『大阪・関西万博』で、「ここめっちゃ楽しい!」「子どもが大はしゃぎしてた」と展示が好評なのが、カナダパビリオン。目印は、「CANADA」の赤い文字が映える、氷山のような涼しげな建物。このパビリオンを体験し、館長である、ローリー・ピーターズさんにも話を聞いた。

◆ ついつい長居してしまう…館長でも日々新たな発見があるほどの、仕掛けの多さ大屋根リングに面した「エンパワーリングゾーン」内に建つ同パビリオン。事前に予約も可能だが、予約なしでも当日並べば先着順で入場できる。館内に入場すると持ち手のついたタブレットが渡され、まずは、カナダ東部・ケベック州の氷山が流れるセント・ローレンスリバーの水のなかへ。筆者もタブレットをかざしてAR(拡張現実)の水中に悠々と泳ぐサーモンを夢中で探してしまった。 

次の部屋は、白く光る氷山が大小いくつも顔を出している幻想的な空間。ここでも氷山にタブレットをかざすと、カナダの自然や先住民、生き物、建物、オーロラなどが次々に出現する。犬ぞりの列や、アイスフィッシングをしている親子、さらにプリンス・エドワード島にある『赤毛のアン』の家、トロントやバンクーバーの建築…広いカナダの地域ごとの特徴を、知ることができる。

この映像は氷山の上だけでなく、天井方向や氷山の下、少し離れるとあらわれるものもある。一角獣や亀、カナダを象徴する動物・ビーバーなどは、ちょっぴり見つけにくい場所にあるかも。とにかく、いろいろな方向にタブレットを向けて探してみよう。

体験中に、たまたま隣にいた来場者に「それって何が見えているの?」と聞かれて、お互いに見つけたものを教え合う場面もあった。ARはひとりで楽しむイメージがあるが、みんなで一緒に探して、教え合うという楽しみ方もでき、来場者同士のコミュニケーションが自然と生まれる面白い展示になっている。

この展示はカナダ人アーティスト、ロベール・ルパージュ、スティーブ・ブランシェ、Mirari社のアートディレクションによるもので、言葉や文字での説明はあえて用意していない。そのため何を見るかは人により、その人だけの体験ができるようになっているそう。

カナダの各州やエリアごとの特徴を知れば、出てくる映像の意味がわかってもっと楽しめるので、「あれはなんだったんだろう?」と思ったら調べてみるのもおすすめ。また、スタッフに聞けばていねいに教えてもらえる(こちらのスタッフは全員カナダ国籍)。

館長のピーターズさんは「私も展示を見るたびに、こんなところに!って新しいものを見つけるんです。まるでミステリーハントみたいね。当初このパビリオンの滞在時間は15分くらいを想定していましたが、実際みなさん30分くらいいますね。だから当館の1日の入場者数は、予定の半分くらいになっています。でも、みんな全部見たいですよね。だから時間がかかっても大丈夫です、じっくり楽しんで欲しい」と笑顔で話す。

「日本のみんなも好きな『赤毛のアン』、メープルシロップ、ナイアガラの滝、オーロラもあるけど、それ以外の新しいカナダも見せたいですね」とピーターズさん。

◆ 期間中にカナダからさまざまなジャンルのアーティストが続々来日また、注目はカナダパビリオンが期間中に用意している120のプログラム。建物中央のオープンスペースにはステージがあるので、音が鳴っていたら、ぜひのぞいてみよう。ほぼ毎日ステージプログラムが行われている。取材日にはカナダの音楽グループ・Le Diable ? Cinqが演奏していて、伝統的なケベックのフォークミュージックにあわせ、老若男女がノリノリに手拍子をしていた。大屋根リングの上でこのステージを楽しんでいる人たちも。

このLe Diable ? Cinqの演奏は5月23日19時30分からも開催予定。また、同日にカナダ先住民のフィドル奏者で歌手のMorgan Toneyのステージも「ポップアップ北」に登場する。24日には、アニメ『アン・シャーリー』特別上映、そしてバンクーバーとアイルランドを行き来しながら活動しているシンガーソングライターNdidi Oのライブも予定し、プログラムが目白押しだ。

そして注目は、8月に予定している、消滅の危機に瀕している母語の楽曲で知られる、カナダ東部の先住民・Neqotkuk族の一員で民族音楽学者でもあるJeremy Dutcherさんの特別ライブだ。今後の予定は公式サイトで確認を。

取材・文・写真/太田浩子

(Lmaga.jp)

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