90周年「大阪の名門ホテル」が外資系リブランド 斬新なショー形式で新たな船出…改装費は135億
大阪・中之島の開業90年の老舗ホテル「リーガロイヤルホテル」(大阪市北区)が、約1年かけたリニューアルを終え、4月1日「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」(大阪市北区)としてグランドオープン。新たな船出を記念したセレモニーがおこなわれた。
今回、開業時からの建築家・吉田五十八氏( 1894年 ー1974年)のデザインを尊重しながら「日本の伝統美と水の融合」をテーマに、客室のほか、宴会場やレストラン、ロビーなどを135億かけて改装。
「インターコンチネンタルホテル」などを運営するイギリスの大手ホテルグループ「IHGホテルズ&リゾーツ」のブランド「ヴィニェットコレクション」に日本で初めて加盟し、「大阪・関西万博」やIR関連の集客を目指す。
記念セレモニーは、滝のある庭園を望む「メインラウンジ」でおこなわれた。新たに「メインラウンジ」に導入された、自動演奏機能付きの希少なスタンウェイ&サンズのピアノ「SPIRIO」もお披露目され、YouTubeチャンネル登録者数78万人を誇る人気ピアニスト・菊池亮太氏が登場。「水」や「春」をイメージした楽曲を次々メドレーで披露、さらに「キエフの大門」など門出を祝うピアノ演奏で盛り上げた。
■ 新ユニフォームを手掛けたのは大阪・岸和田出身、世界で活躍するコシノジュンコ氏続けてファッションショーの形式で新ユニフォームもお披露目。新ユニフォームを着用したホテルスタッフが堂々としたウォーキングを披露し、いつもはゆったりとティータイムを楽しむ人たちの姿がある「メインラウンジ」は、まるでコレクション会場のような雰囲気に。
ユニフォームは大阪府出身のデザイナー・コシノジュンコ氏が、「伝統と革新の融合」をコンセプトにデザイン。シンプルなカラーリングで、背中のファスナーや布の切り替えが印象的に仕上げられている。
コシノ氏は「特にこのユニフォームは背中が特徴です。お客様を案内するときに、お客様はうしろについてこられます。そのときに優雅なホテルにふさわしいコミュニケーションになるのではないかと思います」とデザインに込めた想いを明かした。
また、テープカットの代わりに、ロイヤルホテルとIHGホテルズグループが、大阪の伝統技法「注染(ちゅうせん)」で染めた日本手ぬぐいを結ぶセレモニーをおこなった。
ロイヤルホテル代表取締役社長・植田文一氏は、「まもなく『大阪・関西万博』やIRが開業されます。この大阪をますます盛り上げていくために、大切なことはやはり温かいおもてなしをきっちりやっていくことだと思っています。90年に渡り受け継いできたおもてなしで、揺るぎない存在感を示していくことが私たちにできること。感動と満足を今後も届けていきます」と決意を述べた。
その他、ソプラノとテノールの声を歌い分ける両声ボイスのオペラ歌手・マリア セレンさんが歌唱しながら、来賓などセレモニー参加者とグラスをあわせて、パーティーを盛り上げた。
取材・文・写真/太田浩子
(Lmaga.jp)
