なぜ変えた? 大阪の映画館「シネ・リーブル梅田」が「テアトル梅田」へ…「復活ではない」襲名へ込める想い

「梅田スカイビル」(大阪市北区)のミニシアター「シネ・リーブル梅田」が、4月19日に「テアトル梅田」に名称変更してリニューアル。2022年に閉館した「テアトル梅田」(梅田ロフト地下)の想いを継承しつつ、新ロビーやカフェの新設など「ただ映画を観るだけの場所」にとどまらない、まるでホテルのラウンジのような空間へと生まれ変わった。

「シネ・リーブル梅田」(2000年誕生、2014年「梅田ガーデンシネマ」と統合)は、120~190席というミニシアターとしては大きめのキャパ、繊細な音が楽しめる音響システム・オデッサなどが特徴。今回襲名する「テアトル梅田」は、2022年の閉館まで関西のミニシアター文化を牽引してきた映画館のひとつで、国内外の名作・佳作・話題作を独自のプログラムで上映。多くの映画ファンに愛されていた名館だ。

どちらも大阪人にとっては愛着のあるスポットであるため、今回のシネ・リーブルからテアトルへの名称変更に対しては「ややこしい」「複雑な心境」「テアトル梅田のが馴染み深いし名前だけ残るのも悪くない」「間違えてロフト行かないよう気をつけよう」とSNSでさまざまな声が上がっており、実際に劇場へも「テアトルの復活はうれしい」「シネ・リーブルがなくなるのは悲しい」「復活させる意味が分からない」などと多くの意見が寄せられたという。

■なぜ劇場名を変えたのか?「復活ではない」再出発への想い同館の高橋支配人は、「すべてを引き継ぐ『復活』ではなく、あくまで『新生』として新しい文化を作っていく心持ち」と語る。母体が「東京テアトル」ということもあるが、テアトルシネマグループの関西の軸となる劇場を作り上げていくとイチから考えたとき、適した名前は何だろうか。「『テアトル梅田』という名前にすごく力があると感じていて、思い出がいっぱい詰まったこの名前を大事にしていくべき、この名前が必要だった」と、社内で会議を重ねて決定したと語気を強める。

「良くも悪くも名前が通った劇場だったので、その名前をいただくということで、我々もしっかり覚悟をもってやっていきたい。賛否両論あるのは分かっていましたが、思っていた以上にいろんなご意見をいただけたことはうれしい限りです。これからどうやって返していけるかをご期待いただきたい」

■それぞれの良さを活かし、ファンへの意思表示を込めてそんな想いを込めた新生「テアトル梅田」には、梅田ロフトの外壁に掲げられていた劇場名サインを、ネオンからLEDに代えて移設。旧「テアトル梅田」で愛された作品の特集上映を組んで、懐かしさを感じさせながらも、ソファーや家具は一新してスタイリッシュな空間に。この劇場から新しい文化を発信していくという決意や、それぞれのファンへの意思表示が込められている。

なお、リニューアルオープンの4月19日は旧「テアトル梅田」の誕生日。金曜日スタートという映画館のサイクルと偶然重なっていたため、この日に間に合うよう調整してきたそうだ。

■4階ロビーにおしゃれカフェ、夜はデートスポットにも今回のリニューアルでは、待合スペースをブラックを基調としたシックな空間に一新。なかでも4階ロビーが大きく進化し、幕間(まくあい)から名付けられた「MAKUAI CAFE」がオープン。トップバリスタ監修のラテや自然派シロップを使用したソフトドリンク、プレッツェル、デニッシュなど、良い意味で映画館らしくない本格カフェメニューが楽しめる。さらに、「シアター・イン・シアター」として大型モニタースペース(入場無料)も設置。予告映像や地元のクリエイターの作品を上映、作家と観客のあらたな接点となる場を目指す。

カフェは最終上映の開始まで営業し、ガラス壁に沿った待合スペースは夜になると夜景が楽しめデートスポットにもおすすめ。また、旧テアトル梅田のスクリーン生地を使用した「キーホルダー」(1980円)、「ブックカバー」(3300円)など、ここでしか買えないグッズが数量限定で並ぶ。

今回のリニューアルはロビーが中心だが、今後はシアター内の鑑賞環境改修も計画しているという。

(Lmaga.jp)

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