歌のおねえさん卒業から15年、はいだしょうこ「今ではニックネーム」

「歳を重ねても『しょうこおねえさん』と呼ばれるのはうれしい」と話すのは、宝塚歌劇団出身で、『おかあさんといっしょ』(NHK)の第19代目うたのおねえさんとして活躍したはいだしょうこ。最近ではYouTubeでの歌唱動画が人気を集めるほか、女優としても躍進する。

そして今回、2020年に中止が余儀なくされ、ついに日本初演を迎えるミュージカル『スクールオブロック』ではロック作品に初挑戦。エネルギッシュな本作について、また何年経っても人々から愛される「おねえさん」で居続ける秘訣について、話を訊いた。

取材・文/岩本 写真/木村正史

● 「なかなかロックに入り込めなくて、撮影は照れましたね(笑)」──『スクールオブロック』は2003年に大ヒットした同名映画が原作。熱血教師のデューイが、名門校の生徒たちをロックを通して自由に導いていく物語。ご覧になってのご感想を教えてください。

私は映画の方を拝見したのですが、子どもたちがデューイと出会い音楽を通して、心の成長をする。デューイ自身や大人たちも成長して、それぞれの階段を登っていくという物語がとても素敵でした。忘れかけていた夢を思い出して、「夢は追い続けていいんだ」と大人目線でも気づかせてもらえて。もちろん子ども目線でも「自由に自分を表現していいんだ」と感じ取ることができる作品だと思います。

──ついに上演が叶います。3年の時を経て、「またやります」とお話があったときはどう思われましたか?

公演が中止になってしまったとき、1番に思ったのは、オーディションを受けて、合格した子どもたちのことでした。おそらく稽古に向けて楽器の練習もしていたと思いますし、彼女ら、彼らの出演が叶わないことがすごく心が痛かったです。

なので、2023年にもう一度挑戦させてもらえると知った時は、舞台にまた立てるんだという思いと同時に、2020年に立てなかった子たちの分も背負って、素敵な舞台にしなければいけないなと思いました。

──はいださんが演じられるパティ(Wキャスト・宮澤佐江)は、どういった役どころなのでしょうか?

パティは市長の下で働いているだけあって、しっかりしていて、曲がったことが許せない、すごくきちっとしている女性だと思うので、だらしないデューイをずっと怒っています。自分とパティにものすごく近いものはあまり感じないのですが、私は役を演じるときは、自分に近い役より自分より遠い役の方がワクワクするので、パワフルで怒っているパティを演じるのが自分自身も、今からとても楽しみにしています。

──ビジュアル撮影のときはいかがでしたか?

照れましたね。ロックを題材にした作品は初めてなので。今もまだゆっくりやらないとできないのですが、こうやって(人差し指と小指を立てるハンドサインで)「イエーイ!」ってやるのが・・・。写真を撮るときは毎回、左手で右手の指を折り曲げながらサインを作ってました。私はエンジンがかかるのが遅い方なので、まだ稽古に入っていない撮影の時は、なかなかロックに入り込めなくて、サインを作るのもみんなに笑われてました(笑)。でも本番では、みなさんの波に乗ってノリノリいきたいな、と思っています!

● 「笑うことが1番のリフトアップ」──はいださんのYouTubeチャンネル『はいだしょうこの歌とか』のこともお聞きしたいなと思うのですが、歌のほかに、楽屋でのご様子や、素の感じをお見せしていたことにびっくりしました。でも、すごく親近感がありました。

楽屋とか、新幹線での移動の様子はよく聞く「素の部分を見せた方がいいんじゃない?」みたいなことは考えず、なんとなく「日常を撮ってみようか?」みたいな感じで、マネージャーさんが撮ってくれました。ほかの日常っぽい動画もあまり深く考えず、マネージャーさんとの普段のやり取りの自然さが出ればいいな、とそんな感じでいつも撮っています。

──新幹線の移動中は、動画にあったように、いつもたくさんの飲み物とお菓子をテーブルに置かれているんですか?

そうですね(笑)。京都での舞台『若き日の親鸞』(2023年)が終わって東京に帰ってきたとき、1人で新幹線に乗っていて、マネージャーさんが東京駅のホームで待っていてくれたのですが、私はずっと寝ていて・・・駅に着いたことにも気づかず、お弁当とか、お茶をそのまんまテーブルに並べていて。マネージャーさんが起こしてくれた時は「車庫に入ります」っていうアナウンスが流れ始めていて、もう急いで2人して片づけました(笑)。いつもそんな感じです(笑)。

──それは大変でしたね(笑)。今、お話をしていても、はいださんの周囲にはほのぼのと優しくて、楽しい空気が流れているように感じるのですが、何か心がけていることがあれば教えてください。

もちろん悲しいことや辛いこともありますが、何かあってもマイナスに捉えず、できるだけ自分も笑うようにしているというか。そこは努力しないとなかなかできないですが。人間だからいろんなことがありますし、笑っているだけでは生きていけないことも確かにありますが、しんどいときは「自分にとって今のこのつらいことは必要なことだったんだろうな」と、時間をかけてでも思うようにしています。

──笑うこと、笑顔でいることって大切ですね。はいださんの変わらない美しさにも関係があるように思います。美の秘訣を教えてください!

私は本当にめんどくさがりやなのですが、ひとつだけ、基本は笑顔でいるからあまりシワができなかったんじゃないかな、って思うんです。それは、23歳でおねえさんになってからも笑っていることが多いような気がして、特におねえさん時代は、歌っているときも、声かけするときも笑っていたので。だから頬の筋肉が発達したんじゃないかなって思います。笑うと頬の筋肉が引き上がるから (笑)。

──確かに笑っていると眉間にもシワが寄らず、怒った表情にもならないですよね。

そうなんです。笑っていると健康にもいいと聞きますし、できるだけ笑っている日を多くすることが1番のリフトアップだなと思います。

● 「当時は自分なりの『おねえさん像』を作っていた」──うたのおねえさんのお話もありましたが、23歳から5年間、務められて。はいださんといえば今でも「うたのおねえさん」という印象が強いですね。

年齢的にはおねえさんではないのですが(笑)、今では「しょうこおねえさん」がニックネームのようになっていて。これから先、歳を重ねても「しょうこおねえさんだ!」って言われることもあると思いますし、今でもそう呼ばれることはすごくうれしいですね。

──「しょうこおねえさん」というある種のキャラクターが、これまでの芸能生活の支柱になったということはありますか?

『おかあさんといっしょ』に出演してすぐの頃、「私はおねえさんなのよ」みたいな感じで自分なりのおねえさん像を作っていたら、子どもたちがついてこなかったんです。「おねえさんらしくしなきゃ」とか、「おねえさんとして子どもたちに接しなきゃ」って自分を繕うと子どもたちはすぐ見抜くというか。でも、はいだしょうこのままで「しょうこおねえさん」になって、素のまま自分を作らず、全力で遊ぶ・全力で歌うというようにしたら、子どもたちも心を許して接してくれるようになりました。

──子どもたちの洞察力は恐るべしですね。当時の子どもたちも、もう大人になっているのでは。

だいたい今、高校生くらいから今はちょうど社会に出て、就職し始める頃の子どもたちが世代なので、美容院とかに行くとアシスタントの子が「『おかあさんといっしょ』、見てました」って言ってくださって、本当にうれしくなります。大きくなったんだなぁと。今度は逆にお世話してもらって(笑)。すごくやさしくしてもらって、しょうこおねえさん世代の子たちに身近で会うるのは、本当にうれしいです。

ミュージカル『スクールオブロック』ははいだのほか、西川貴教、柿澤勇人、濱田めぐみ、梶裕貴、太田基裕などが出演。東京公演を経て大阪では9月23日~10月1日に「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)にて上演。チケットはS席1万3500円、A席9500円ほか、7月23日より一般発売。

(Lmaga.jp)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

関西最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス