悪のヒーローで観客を虜に。礼真琴主演の星組『エル・アルコン-鷹-』が開幕

宝塚歌劇団星組公演『エル・アルコン-鷹-』『Ray -星の光線-』が、11月20日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開幕。トップスター・礼 真琴(れいまこと)を中心に、16世紀のヨーロッパを舞台にしたコスチュームプレイと、激しいダンスが満載のショーを、出演者35名とは思わせない迫力で魅せた。

当初は6月より全国ツアーの予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大阪のみでの公演となった今作。青池保子原作の少女漫画を舞台化した『エル・アルコン-鷹-』は、2007年に安蘭けい主演で上演された星組公演の再演。礼が長年あこがれていた作品でもある。

ダーティーヒーロー・ティリアン役に入り込んでいるような礼のクールな開演アナウンスから、期待値を上回ることを予感させる。目力を強調するようなメイクや抑え気味の話し方で、身近な人を殺すこともいとわない野心家ティリアン・パーシモンの恐ろしさ、女性たちを虜にする色気などを鮮やかに表現してゆく。心地よい歌声と共にゾクッとする表情で引き込んだ。

イギリス海軍のティリアンの前に立ちはだかる女海賊ギルダ・ラバンヌ役は、トップ娘役の舞空 瞳(まいそらひとみ)。高音の歌も的確に歌いこなし、剣を振る姿の勇ましさ、愛の葛藤に揺れる女心が、礼との芝居の相性の良さもあって引き立つ。

ティリアンに復讐を果たすため、法律家を目指す青年から海賊へと転身するルミナス・レッド・ベネディクト役を、男らしさと爽やかさを両立させて好演した愛月ひかる。ほかにも貴族や海賊たちなどさまざまなキャラクターが交錯する怒涛の物語は、白一色の終幕で観客にひと筋の光を与える。

そして、2月より礼と舞空の大劇場トップお披露目として上演されてきた『Ray -星の光線-』。冒頭からトップギアで走り抜けるような躍動感溢れるショーは、ますます勢いを増したよう。新たな「ギリシャ・愛の伝説」の場面での、清々しい歌と笑顔が特に心に残る。

公演は11月28日まで。なお、28日13時開演の千秋楽を全国映画館で生中継し、「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて全編ライブ配信される。詳細は公式サイトにて。

取材・文/小野寺亜紀

(Lmaga.jp)

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