大阪で、近代工芸の凄腕職人 展覧会

「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)で開催中の『近代大阪職人図鑑』では、近代(明治時代~昭和戦前期)の大阪に大勢いた、優れた腕を持つ職人(アルチザン)の作品を紹介している。

会場には、根付、人形、面、刀剣、漆芸、金工、木工、竹細工、陶芸など約170点が並んでいます。たとえば松本喜三郎の「池之坊」は、明治時代の見世物興業で大人気を博した「生人形(いきにんぎょう)」の数少ない現存例で、スーパーリアルな人物表現が特徴です。一方、木彫家の穐山竹林斎の作品は「龍自在置物」です。自在置物とは体の各部が生き物のように動く細工を施した工芸品ですが、大半は金属製で、本作のような木製品は非常に珍しいのです。また、村上盛之の「冬瓜大香炉」と「蕭史弄玉図大花瓶」は彫金の名品で、「冬瓜大香炉」の葉やツル、昆虫の細密さには驚かざるを得ません。

ほかにも、日本以上に海外で高く評価されている懐玉斎の根付、刀工として初の帝室技芸員に任ぜられた月山貞一の刀剣、明治初期の大阪造幣局で活躍した彫金家・加納夏雄の貨幣図案画帖と試作貨幣、江戸時代に大坂の医師・奥田万里が製作させた木製の人体骨格標本など、名品・珍品が揃っており、見る者を驚きと喜びの連続へと導くでしょう。

筆者はこの展覧会を見て、昔読んだ漫画『栄光なき天才たち』を思い出しました。優れた実績を残しながら歴史の影に埋もれてしまった人々をすくい上げ、再評価するのは大切なことだと思います。本展を機に、近代大阪の名工たちが広く世に知られるよう望みます。

文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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