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「ISPSハンダマッチプレー選手権」開催!片山晋呉V

 死闘を制した片山晋呉(写真中央)、ISPS半田晴久会長(同右)、JGTO青木功会長(同左)
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 国際スポーツ振興協会(ISPS)主催の男子ゴルフ国内ツアー「ISPSハンダマッチプレー選手権」が8月1、2日(1、2回戦)と9月6~10日(3回戦~優勝決定戦)に千葉県市原市の浜野ゴルフクラブで行われ、片山晋呉(44)の優勝で幕を閉じた。昨年までの「ISPSハンダグローバルカップ」からマッチプレー形式に変更した今大会は、片山が4回戦で27ホールの死闘を制するなど熱戦が続出。ISPSの半田晴久会長(66)は「これが今必要なんだと腹を決めてやったことが、最終的にすごく盛り上がった」と、大会を振り返った。

 賞金総額2億1千万円、優勝賞金5千万円はともに今季国内最高額。104人が7日を費やして争う大トーナメントを勝ち抜いて頂点に立った片山に、半田会長からグリーンジャケットならぬグリーン羽織と優勝カップならぬ優勝兜(かぶと)が贈られた。

 半田会長が「世界で戦える、本当に強い日本のゴルファーを育てたい」との思いで、男子国内ツアーで14年ぶりに復活させたマッチプレー。「メンタルと技術と体力、あらゆるものが要求される。マッチプレーもストロークプレーも強いのが本当に強い選手。(JGTOの)青木会長が『勝負強くなれ』と言っても、こういう場とチャンスがないと、勝負強くなる環境がない」というのが理由だ。だが、いつ決着がつくか分からず、テレビ放送の枠にはまりにくいことなど、14年もマッチプレーが行われなかったことには理由があった。それでも、半田会長は対費用効果ではなく、「どうすればゴルフ界が活性化していくか」という対社会効果を第一に考え、「観客ゼロでもいい。テレビもなくて結構」と開催を決断した。

 そして、その熱い思いに応えるかのように、大会ではスリリングな熱戦が続出。片山が連日、勝利の喜びをど派手に表現したことも手伝って日増しに大会は盛り上がり、半田会長は「これが今必要なんだと腹を決めてやったことが、最終的にすごく盛り上がった」と、満足感をにじませた。

 その片山は「自分の技術レベルの最高級のものが出てきて、さらに気持ちも、自分ではなかなかできないんじゃないのかな、というプレーも出ることが多々あった。選手のレベルを上げてもらうには、マッチプレーはとてもよかったんじゃないかと思います」と収穫を実感。JGTOの大西久光副会長も「(延長戦だった)準決勝の2つ、ここ10年で選手があれだけ気合が入っている試合はなかった。選手にも聞いたけど、やりがいがあると言っていた人が多い。今回のフォーマットでもう1回やらせていただきたい」と十分な手応えを感じていた。

 そして、半田会長は来年の賞金総額を2億3千万円に増額することを明言。「ここで上位だった人が賞金王になってくれたら、マッチプレーの価値も、みんなの認識も広がる。こういう大会が3、4つあってもいい」と、マッチプレーのさらなる発展を期待した。