尽誠センバツ組連破で15年ぶり四国制覇

 「高校野球春季四国大会・決勝、尽誠学園4‐3鳴門」(5日、オロナミンC)

 尽誠学園(香川1位)が最終回の劇的な逆転で鳴門(徳島1位)を4‐3で下し、15年ぶり3度目の優勝を飾った。尽誠学園は1‐3の九回にチャンスをつくると、4番・鳥井凌外野手(2年)、5番・西丸泰史内野手(2年)の連続適時打で3点を奪った。左右の2枚看板を故障で欠く中、2年生右腕の中山清治投手の力投も光った。鳴門はエース・板東湧梧(ゆうご)投手(3年)が最終回に崩れ、2年連続準優勝に終わった。

 名門復活を告げる逆転劇だ。マウンドで歓喜の輪をつくった尽誠学園ナインが、1本指を突き上げ、15年ぶりとなる春の四国制覇の歓喜に浸った。その姿をベンチ前で見届けた岡嶋徳幸監督(38)は「精神的に強くなった。本当に成長した」と目を細めた。

 じっと待ち続けたチャンスが1‐3の九回に来た。1死二、三塁とすると、「全力で振ろう」と決めて打席に入った4番・鳥井が左中間を破る同点適時三塁打。さらに5番・西丸が右前にはじき返し、一気に2点差をひっくり返した。腰のヘルニアを発症しながら、指揮官に出場を志願した西丸は「無心で打った。腰が痛いのも忘れていた」と殊勲打を振り返った。

 緊急事態を乗り越えた。県大会優勝を支えた土肥、武田の投手2枚看板が大会直前に故障離脱。本来3番手の2年生右腕・中山が急きょ背番号「1」を背負った。控え投手3人は全員が1年生。そんな苦境を野手陣が攻守でカバーし、「全員でつかんだ優勝です」と赤堀主将は胸を張った。

 春夏合わせて甲子園出場16回、4強入り2回。かつて全国の強豪と渡り合った名門も、2007年夏を最後に聖地から遠ざかっている。

 昨年は春、夏、秋と3季連続で県大会4強止まり。岡嶋監督は秋の大会後、「自立」をテーマにナインに意識改革を求めた。練習では指示を控え、練習試合はサインなし。自ら考えてプレーすることを徹底して要求した。その成果が9年ぶりの春の県大会制覇、そして済美と鳴門の“センバツ組”を連破する今大会の優勝につながった。

 次の目標は6年ぶりの夏の甲子園。投手の2枚看板が復帰すれば、さらに戦力アップが見込める。「競争してほしい。ぼくも楽しみです」。岡嶋監督は、うれしい悲鳴を上げていた。

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