【競輪】輪界のアイドル候補!小川美咲

 未来のトップレーサーを目指し、静岡県伊豆市にある日本競輪学校(滝沢正光校長)では男子105期生36人、女子106期生(ガールズ3期生)20人が日々の鍛錬を積んでいる。56人の中から注目の生徒をピックアップ。アイドル級のルックスを誇る小川美咲(19)=静岡、自転車競技経験なしで女子初のゴールデンキャップ(成績優秀者に与えられる帽子)を獲得した小林優香(19)=福岡、スキーの第一人者から転身した奥井迪=ふみ(31)=北海道を紹介する。

 【小川美咲】

 在校中は化粧御法度の競輪学校だが、すっぴんでも飛び切りキュートな生徒がいる。今年3月に高校を卒業したばかりの小川美咲。アニメ声の天然キャラで、アイドルとしても通用しそうな資質を持ち合わせている。

 外見だけではない。静岡県立伊豆総合高時代は、インターハイのケイリンで2位。全国高校選抜では500メートルタイムトライアル、スクラッチ(20人前後で争う4キロのロードレース)ともに3位の実績がある。ニューヒロイン誕生を予感した地元・静岡のテレビ局は、2カ月に1回の割合で彼女の特集を組んでいる。

 兄の達也(26)は08年1月にデビューした現役の競輪選手で、現在はA級3班に所属している。「家族でお兄ちゃんの応援をしているうちにレースが好きになった」。小学4年で伊豆のサイクルスポーツセンターの自転車愛好会に入会し、兄の背中を追い続けている。

 競輪学校内の成績は20人の真ん中。7月31日で19歳になったばかりだけに、伸びしろは十分見込める。「高校のときは体力が同じくらいだったので成績を残せたけど、ここでは体格が全然違うのでかなわない」と、ステージがアップしたことを痛感する。来年3月の卒業まで「前の人が仕掛けると離れてしまうのでダッシュ力をつけたい。重たいギアを踏めるようにパワーもほしい。ご飯をいっぱい食べて、ウエートトレもしっかりやりたい」と課題を持って取り組んでいる。

 小川の特技は一輪車。小学6年から中学3年まで、全国大会のハーフマラソンで4連覇を成し遂げている。「プロになれて、もし機会があれば披露したい」。もちろん競技だけでなく、演技もOK。輪界のアイドル候補が、一輪車で華麗に舞う姿を見てみたい。

 【奥井迪】

 スキー大回転で活躍した奥井が、ガールズケイリンの存在を知ったのは昨年5月のこと。高校のスキー部OB会に出席した際、居合わせたのが競輪選手の薮下昌也(今年7月引退)だった。国体優勝など日本トップクラスの実力者も、世界との差を感じて五輪の夢は断念。その後は中学教師を務めていたが、薮下との出会いで心が動いた。

 両親は猛反対。しかし母親は昨年7月にデビューしてガールズのトップ選手として活躍する中村由香里が元教師だったことを調べていた。「スキーは中途半端に終わった。もう後悔したくない」と競輪学校の門をたたいた。

 「持久力はあるけど、ダッシュはない。全体的な底上げが必要」。課題は多い中でも「プロとしての走り、技術と力をファンに感じてもらえる選手になりたい。同期に恵まれているし、全員が強くなってガールズを盛り上げたい」と夢は膨らむばかり。“何でも全力”をモットーに、ペダルの回転力を上げていく。

 【小林優香】

 “天才少女”の出現だ。小林は体力測定などによる適性試験で入校、自転車経験はまだ浅いが、身体能力は抜群だ。5月の試走記録会で200、400、1000、2000メートルの全4種目で基準タイムをクリア。女子、そして適性出身でも初めてのゴールデンキャップを獲得した。

 バレーボールで汗を流していたが、ロンドン五輪の自転車競技を見て夢が変わった。「結果を出すために練習してたけど、背が低い(164センチ)ので上の世界では戦えない」と、両親の勧めもあって身長は関係ない自転車の世界に転身した。

 「ゴールデンキャップはうれしいけど、キャップの重みを知らなかった。人一倍努力しなければ、と自覚が出てきた」。バレーボールから転身して適性で入校と同じ経歴を持つ滝沢校長のアドバイスを受けて、さらに成長。7月末の第1回記録会では史上初となる個人2回目のゴールデンキャップを獲得。またも競輪学校の歴史を塗り替えた。

 「競走訓練でいろいろな戦い方を覚え、デビュー戦は完全優勝を狙う」。まだ“原石”の状態だが、磨けばもっと輝きを増しそうな可能性を秘める。競輪史にも名を残す大選手になる期待を抱かせる逸材だ。

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