清原被告また“逃げた”判決受け一礼も

 覚せい剤取締法違反罪に問われた元プロ野球選手の清原和博被告(48)に東京地裁は31日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。5月17日の初公判で清原被告が求めていた保護観察は「自助努力による更生がふさわしく、十分立ち直りが可能」(吉戒純一裁判官)として見送られた。清原被告は公判の最後に傍聴席を振り向き「このたびは誠に申し訳ありませんでした」と深々と一礼した。

 泣きじゃくった初公判から一転、清原被告は直立不動で判決を聞き入った。「懲役2年6月、執行猶予4年」。言い渡された瞬間、まばたきを繰り返し、口を開き大きく息を吸い込んだ。裁判官が量刑理由を説明している間、犯した罪をかみしめるように、何度か頭を上下に揺らした。

 12分間の公判で、取り乱すことはなかった。裁判官による説諭。「あなたは決して一人ではない。お父さんや親戚、支援者の方、情状証人に立ってくれた佐々木(主浩)さん、嘆願書に署名してくれた地元の多くの方々、全国の根強いファンが、あなたの更生を望んでいることを忘れないでください。心が弱くなったら、お父さんの手紙を読み返したり親身になってくれる人に相談してください」との言葉に手を目元にやり、うつむいたが、涙はこらえた。

 裁判官の言葉が終わると、傍聴席の方にゆっくりと体を向け「このたびは誠に申し訳ありませんでした」と一礼した。退廷の際も深々と頭を下げるなど、反省の色を前面に打ち出した。

 有罪判決が下り、今後は更生への道が始まる。3月17日の保釈時には「いつか直接皆様に謝罪したいと切に願っています」とコメントを発表したが、初公判の日に続き、この日も会見は開かれなかった。小さい法廷で発した謝罪の言葉がそれに当たるとは考えにくいが、地裁を後にする際も姿を一切見せず“逃げ”に徹した。

 清原被告を乗せた白のワゴン車は地裁を出ると、保釈時と同様に報道陣のバイクや車に追われながら、港区内にある大型ビルの駐車場に入った。この建物には、清原被告を担当しているとみられる弁護人が所属する法律事務所が入居している。

 初公判で清原被告が望んだ保護観察は「自助努力による更生がふさわしく、十分立ち直りが可能」との理由で見送られた。ただ、会見が行えず、コメントも出せないほど精神的に不安定であるなら、大きな不安が残る。このまま世間から隠れて暮らす限り、初公判で何度も口にした「自分の弱さ」の改善への光は、見えてこない。

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