「置き配」巡るトラブル発生!微妙な位置に置かれた荷物を手に取って隣人に「泥棒」呼ばわり…どう対応?
配達物を玄関先などに置くサービス「置き配(おきはい)」が配達方法の一つとして定着している。不在時でも、荷物を持ち帰られることがなく、再配達の手配をする手間が省けるといった利便性がある。ところが、その置かれた荷物を巡って隣人とのトラブルが発生した場合、どう対応したらいいのだろうか。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏がその対策を提言した。
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【今回のピンチ】
ドアの前に置き配が。何だろうと手に持って伝票を確認したら、隣りの部屋宛だった。そのタイミングで帰ってきた隣りの住人に、いきなり「ドロボー!」と叫ばれて……。
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仕事が終わって独り暮らしの部屋に帰ってきました。ドアの前にネット通販の荷物が置いてあります。「何か注文したっけな?」と思いつつ、手に取って伝票を確認。なんと、隣りの部屋宛の荷物でした。
「しょうがないなあ。ま、置いといてあげればいいか」と体の向きを変えた瞬間に、隣りの部屋の住人が帰宅。「あ、これ……」と声をかけようとしたら、いきなり「ドロボー!」と叫ばれてしまいした。
「返してください!」と、こっちが持っていた荷物を奪い取ります。「いや、違います」と言っても聞く耳を持とうとはしません。
このままではドロボーのレッテルを貼られてしまいます。隣人が誤解したまま大家さんに事の顛末を話したら、ここに住めなくなるかもしれません。絶体絶命の大ピンチ。どう言えば誤解を解くことができるのか……。
自分は何も悪いことをしていないのに、いきなり泥棒扱いされるなんて、とんでもない災難です。「ドロボーとは何だ!」と応戦したいところですが、こっちが強い態度に出たら、事態はさらに悪化するでしょう。
まずは、落ち着いた口調で「この状況だと、誤解されるのも無理ありませんね」と、相手に理解を示します。その上で、じりじりと反撃を開始。「私がドロボーに見えますか。あなたの誤解だったら、謝ってくれますか。いきなりドロボー扱いされて、とても不愉快です」と詰め寄ります。
相手がひるんだら「私が帰ってきたら、この荷物がウチの部屋の前に置いてありました。伝票を見たらあなた宛だったので、部屋の前に置こうとしたところです」と、状況を詳しく説明しましょう。
納得して「すみませんでした」と謝ってくれたら、それでよし。ただ、人間は一度思い込むと、軌道修正がなかなかできない生き物です。「嘘つくな!」と、自分の思い込みにこだわり続ける可能性は大いにあります。
その場合は仕方ありません。「じゃあ、配送業者に確認してみてください。警察を呼んでもらってもいいですよ」と提案しましょう。建物内に防犯カメラがあるなら、「管理会社に防犯カメラを確認してもらう手もありますね」と言って、じりじりと追い詰めます。
こっちが形勢有利になったとしても、油断は禁物。もう一度「あなたが誤解するのも無理はありませんが、わかってもらえましたか」と、あらためて理解を示しておきます。そうしないと、己の早とちりを認めたくないばっかりに、意地になって「盗んだに違いない」と主張し続けるリスクが高まります。
警察沙汰になった場合も、冤罪というさらに深刻な災難を避けるには、落ち着いた態度を貫くことが大切。感情的にわめき散らすと、ますます泥沼にはまってしまいます。
ま、言うは易(やす)し行なうは難(かた)し、ですよね。同じ状況になったときに備えて、頭の中でシミュレートしておきましょう。
(コラムニスト・石原 壮一郎)
