“トレパク騒動”の江口寿史氏「雑誌に掲載された写真を許諾を得ないまま参考に制作」 Zoff運営会社に説明
メガネブランド「Zoff」を運営するインターメスティック(東京都港区)が24日、公式ウェブサイトを通じて「江口寿史氏制作イラストに関するご報告」とした声明を発表。2018年に、全国Zoff店舗で店頭POP、ポスターなどに使用した漫画家、イラストレーターの江口寿史氏(69)が制作したイラスト4点のうち2点について、江口氏や広告代理店にヒアリングを行った結果、江口氏から「雑誌に掲載された写真を、モデルの方ご本人や撮影者、出版社などの権利者から許諾を得ないまま参考に制作した」との説明があったことを明かした。
さらに「また、制作当時、その経緯ついて広告代理店および当社への報告はありませんでした。残る2点のイラストについては、江口氏の知人をモデルとし、ご本人が撮影した写真をもとに制作されたことを確認しております(原文ママ)」とした。
同社は4日、18年にキャンペーンで使用した江口氏のイラストについて、無断でモデルにされた人物がSNSで、特定の写真をもとに制作された可能性があると指摘したことを受け「多くの皆さま、該当モデルの方にご心配ないしご迷惑をおかけしており、お詫び申し上げます。現在、事実関係を精査しております。確認が取れ次第、改めてご報告いたします」としていた。
「モデルの方、所属事務所ならびに出版社には、当社より経緯を説明のうえ謝意をお伝えし、ご宥恕(ゆうじょ=寛大な心で許すこと)くださいました。補償については、江口氏、広告代理店および関係者間で協議を進めることとなっております。当社としても、江口氏および広告代理店に対し、誠意ある対応を取るよう働きかけを続けてまいります」と釈明した。
江口氏に持ち上がった無断トレース、いわゆる“トレパク疑惑”について、同社は「本件について、江口氏の創作活動や表現手法そのものを否定するものではありません。トレースや写真を参考にすることは、イラスト表現の一つとして尊重されるべきものであり、問題の本質は、制作過程において権利への配慮が不足していた点と、権利許諾の確認および報告の手続が不十分であった点にあります」と表明した。
同社は「今後は、同様の事案が再び発生しないよう、広告制作における権利関係の確認や管理体制の見直しを進め、再発防止策を講じてまいる所存です。本件により、モデルの方をはじめ、関係者の皆さまにご迷惑とご不安をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」と陳謝した。
江口氏が、都内の商業施設・ルミネ荻窪で開催されるイベント「中央線文化祭2025」の告知ポスターを制作した際、第三者がインスタグラムに投稿した写真を承諾なく使用。モデルになったと指摘した女性からその後、承諾を受けたことを明かしたことを発端に、江口氏の過去の作品について“トレパク疑惑”が指摘されている。
(よろず~ニュース編集部)
