工藤静香 恩人の死にショック隠せず涙

涙ながらに弔辞を読む工藤静香=東京・上野の寛永寺
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 虫垂がんのため2日に死去したレコード会社「ポニーキャニオン」元常務取締役の渡邉有三さん(享年64)の葬儀告別式が8日、東京・上野寛永寺輪王殿で営まれ、約300人が参列した。渡邉さんが手がけた数多くのアーティストを代表して弔辞を読んだ歌手の工藤静香(43)は「歌手人生をスタートさせてくれた有三さんのことを一生忘れません」と涙が止まらなかった。

 工藤はフジテレビ系「夕やけニャンニャン」にレギュラー出演し、1987年、同番組から生まれたユニット「うしろ髪ひかれ隊」のメンバーとして歌手デビュー。同年、「禁断のテレパシー」でソロでもデビューを飾った。その後も「FU-JI-TSU」「MUGO・ん・・・色っぽい」など立て続けにヒットを飛ばした。

 17歳の歌手デビューからの“恩人”だった渡邉氏の遺影を前に、工藤は弔辞を読み上げる前から涙。「17歳のころに初めてお会いして。渡邉さんのお家に行って、その時食べた金色のチョコレートの味は今でも覚えています」と振り返り、鼻をすすった。

 渡邉さんは毎年、工藤のクリスマスディナーショーを見に来てくれていたが、昨年は電話で「本当は行きたいんだけど、行けないんだ」と小さな声で連絡があったという。

 最後に会ったのは昨年12月30日。状態がよくないと聞き、「覚悟して」病室に駆けつけた。「思ったほどはやせていなかった」という渡邉さんは、工藤が「いろいろなこと、全部大丈夫ですか」と聞くと、「うん、全部終わったよ」とにっこりとほほえんだという。

 その時のやりとりを振り返りながら、涙ぐんだ工藤は「最後に2人きりで話す時間をくれた神様に感謝します。歌手人生をスタートさせてくれた有三さんのことを一生忘れません。そしてプロデュースしてくれた歌を一生大切に歌って、また有三さんのところに届けたいと思います」と涙で顔をくしゃくしゃにしていた。

 恩人の死にショックを隠しきれない工藤は、斎場に出入りする時も報道陣の前には姿を見せず、囲み取材にも応じなかった。

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