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【篠山輝信】“ちびまる子”の成長に心打たれる「ひとりずもう」

多方面で活躍している篠山輝信
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 「ボクのイチオシ=3=」

 桜も咲いて今年も春ですね。卒業、入学、入社など、出会いと別れがあり、進路や就職などの人生の大きな決断を迫られ、多くの人にとって将来への希望と不安の葛藤の季節でもあります。そんな今の時期にぴったりなのが、「ひとりずもう」。

 本書は、みなさんご存知「ちびまる子ちゃん」のその後を描いた作品。僕たちが漫画やアニメで馴れ親しんだあのまる子が成長し、進学し、思春期を迎え、そしてついに自分の職業を決めます。その間、人生の様々なことに直面し、狼狽(ろうばい)し、悩み葛藤します。

 僕にとってのまる子は小学校三年生のあの明るくて素直で、ちょっと怠け者なイメージだから、五年生になったまる子が生理の存在を知って恐怖したり、中学に入って髭が生えてきた男子に対して嫌悪を抱いたりする姿にちょっとビlックリしてしまいます。でもその悩み方や受け止め方が、いちいちまる子っぽいというか、良い意味でだらしなく、とてもチャーミング。まるちゃんには悪いけど、読んでて何回もクスッと笑ってしまいます。

 本書はさくらももこさんの半自叙伝であることはわりに有名ですから、読者の多くは、この子はいずれ漫画家になる、という物語のゴールを知ったうえでまる子の人生を覗くことになります。だから「うん、うん、まるちゃん、君が悩んで苦しいのはわかるけど、君はちゃんと漫画家になって、素敵な作品をたくさん描くんだよ。だから、夢をあきらめちゃだめだよ」なんて応援せずにはいられなくなります。

 「ちびまる子ちゃん」はエッセイ風コメディだけど、この「ひとりずもう」は少女から大人の女性へと成長していく一人の人間の内面の葛藤が繊細に表現されていて、おなじみのメンバーが登場するのに、作品が醸し出す雰囲気が全く違うことに驚かされます。

 まる子はどうやって自分の夢をみつけて、それをどう叶えたのか。彼女によっていずれ描かれるであろう「ちびまる子ちゃん」にはどんな想いが込められているのか。まる子が辛いときいつもそばにいてくれたたまちゃんの存在の大きさ。そのたまちゃんとのお別れは感涙必至ですよ。

 まる子ファンはもちろん、夢をもっている人、かつて青春時代を過ごしたすべての人の胸に必ず響く名作です。

 ◆篠山輝信(しのやま あきのぶ)1983年12月10日、東京都出身。俳優。映画、舞台などに出演しつつ、NHK「あさイチ」のリポーターとして活躍。

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