ディラン ノーベル賞「光栄」 授賞式「所用」で欠席も米大使がスピーチ代読

 米歌手のボブ・ディランボブ(ゲッティ=共同)
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 2016年のノーベル賞授賞式が10日夕(日本時間11日未明)、スウェーデンのストックホルムで開かれ、医学生理学賞の大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)にカール16世グスタフ国王からメダルと賞状が授与された。授賞式に続く恒例の晩さん会は10日夜(日本時間11日朝)、同地で開かれ、欠席した文学賞の米歌手ボブ・ディラン(75)のスピーチが代読された。ディランは「名誉ある賞を光栄に感じている」と喜びを表明。「自分の歌は文学か」という問いに「素晴らしい答えを出してくれた」と謝意を表した。

 歌手として初の受賞者となったディランは「所用」を理由に10日夕の授賞式を欠席。代わって友人の米歌手パティ・スミス(69)が、反戦ソングとして知られるディランの代表曲「はげしい雨が降る」を披露した。緊張して歌が止まり、やり直す場面もあったが、静かに歌い上げ「とてもハッピーだった」と語った。

 ディランのスピーチはアジタ・ラジ駐スウェーデン米大使が代読し、各賞受賞者や関係者ら約1300人が聞き入った。ディランはまず「出席できずに申し訳ありません」とおわび。過去の受賞者であるトーマス・マンやヘミングウェーら「文学界の巨人」を列挙し、その中に自分の名前が連ねられることに「言葉を失う」と喜びを表現した。

 ディランは劇作家だった英文豪シェークスピアも、考えていたのは舞台のことで「文学」という意識はなかったはずだと指摘し、同じように「私のしてきたほとんど全ての中核にあるのは歌」だと訴えた。「自分の歌は『文学』なのだろうか」と自問したことはないと戸惑いをにじませながらも、その問いに対する答えを導き出してくれたとして、スウェーデン・アカデミーの選考に謝意を表した。

 10月の授与発表後に沈黙を続けたため、さまざまな臆測が広がったディラン。しかし文学賞の受賞は「本や詩、戯曲を書く人なら世界中の誰もが抱くひそやかな夢」と指摘した。ただ、授与のニュースを耳にした時は「理解するのに数分以上かかった」として、自らの受賞は全く予期していなかったことを強調した。

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