ミセス大森元貴 最新アルバム「POPS」4文字に込めた覚悟と戒め「多くの人に届ける音楽人であれ」【インタビュー前編】

 男性3人組ロックバンド・Mrs. GREEN APPLEが30日に3年ぶりのオリジナルフルアルバム「POPS」を発売し、ファンクラブ限定アリーナツアー「SHADOWS」の開幕させる。フロントマンであるボーカル・ギターの大森元貴がこのほど、取材に応じ、新作に込めた思いを語る。インタビューを前後編でお届けする。

--フェーズ3に新たなアルバムを放つ心境は。

 「ありがたいことに多くの方に聞いていただけるようになり、自分だけの音楽だったはずが、いつしか誰かの音楽になっている感覚があった。昨年メジャーデビュー10周年を迎えて、さまざまな経験をさせていただく過程で、誰かの音楽になっていることが自分の喜びとなっていた。今の僕らが届けたいポップス、魂をささげているものを冠につけた楽曲を16曲そろえてリリースすることがふさわしいと思って、制作に着手しました」

--「POPS」というタイトルに込めた思いは。

 「自分たちに対する戒めですね。いまだにライラックがチャートの中にいるというのは、僕としても何が起こっているのか分からない。バラエティー番組が始まり、町を歩けば老若男女に声をかけて頂けるようになってすごくうれしいけど、同時に分かってくれる人に届けばいいと思って作品を作るのはダサい気がした。多くの人に届ける覚悟を持った音楽人でないといけないという意味合いがある。『われわれがPOPSの権化なんだ』という意図は全くない」

--当初の14曲から2曲増え、16曲を収録した。

 「MUSIC AWARDS JAPANで音楽市場をフィジカルで体感する中で、我々が制作している『POPS』は当時14曲だったけど、それじゃピースが足りないなと。衝動的に2曲書きたいなと思った。大賞をいただいて打ち上げどうこうというよりも、家に帰って(『共犯』『禁じた遊び』)の2曲を作りました。頭で想像しているもの以上のことに取り組まないと、僕ら自身がもうワクワクできないというタームに入っていることに、MAJに参列している中で気が付いた」

--「プロジェクト4」は英語詞となっている。海外進出への思いが込められているのか。

 「海外に行かせていただいてたくさん刺激はあったけど、海外に行きたいという直喩的なものはない。『GO GLOBAL』みたいな感覚はもう全くないですね。むしろ『BE GLOBAL』であるべき。日本の市場も大きい。だからといって日本にずっと居続けて良いという訳でもないし、かといって特別出る必要もない。見つけてくれる人がいいなという感覚で音楽をしている。この曲は内容が難しい内容で、2番の歌詞は思いきり色々批評している。英語にしないとまろやかにならないなって(笑)。何にも定義づけられない音楽があるべきだと思ったので、実験的なところになっている曲です」

--全16曲の中でフェーズ3を印象づける楽曲は。

 「リリース順だと『lulu』が一番始めだけど、僕の中で『Brand New』の真新しいという言葉がフェーズ3にピッタリだなと思う。フェーズ2で開拓し、色んな方に知っていただいた。フェーズ2は全盛期で閉じようとメンバーと話していたので、フェーズ3はどうなるんだろうと話した時、衰退するフェーズなのかというとそうではなくて、全然違う心持ちで望めると良いよねと話していた。スパイダーマンがきっかけで、この曲を書けたことは必然だった気がしている。すごくフェーズ3っぽいなって思います」

◆大森元貴(おおもり・もとき)1996年9月14日生まれ。東京都出身。2013年にMrs. GREEN APPLEを結成。フロントマンとしてバンドの全楽曲の作詞、作曲/編曲、さらに作品のアートワークおよびミュージックビデオのアイデアまで、楽曲に関するすべての要素を担当する。俳優としては昨年放送のNHK連続テレビ小説「あんぱん」に出演。同年4月公開の映画「#真相をお話しします」では映画初出演にして初主演を務めた。

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