フィンランドのギタリスト、ペッテリ・サリオラが9年ぶりに来日「聴くに値するものを作りたいと常に思っている」

愛用のギターをつま弾くペッテリ・サリオラ
9年ぶりに来日したペッテリ・サリオラ=東京・音羽
2枚

 フィンランドのギタリスト、ペッテリ・サリオラ(41)が今年、8年ぶり5作目のオリジナルアルバム「VOYAGER」をリリースした。スチール弦のアコースティックギターでフルバンドのサウンドを再現する超絶技法を生んだバックボーンや、映画「2001年宇宙の旅」をほうふつさせるコンセプトの「ロックオペラ」を自認する新作について、9年ぶりに来日したサリオラが語った。

 「VOYAGER」は「宇宙的なものにハマっている娘にインスパイアされた」といい、「ロックオペラ的にコンセプトがつながっている曲が集まった。行方不明になった宇宙船内で搭乗員がどんどん減っていき、最後の一人が宇宙に消えていく物語が繰り広げられる」と説明。曲をアルバムに当てはめていくうちにコロナ禍と物語が「シンクロするんじゃないか」と思えてきたという。

 「開幕は希望に満ちているけど、終幕に向かうにつれて孤独になっていったり、人格が崩壊したり、どんどん寂しくなっていく」という物語が、自身の「ライブがコロナに奪われ、失われたアイデンティティーをもう一度作っていこう」とするフェーズと重なった。

 娘は完成したCDを「何度も何度も聴いてくれて歌ってくれたりして気に入ってくれた」といい、「最高にグッと来ました」と喜んだ。

 代々の音楽一家育ちできょうだい、いとこら自身の世代にも12人のプロがいる。7歳でクラシックギターを始める前から「作曲したいというのはあった」という。

 音楽教師から独特のパーカッシブな奏法で知られる米ギタリストのマイケル・ヘッジスを聴かされると「なんてすごいんだ、新たな世界を見せてくれた」と方向性が定まり、独自のパーカッシブなスタイル「スラム奏法」を確立していく。

 他にもレオ・コッケ、ジョニ・ミッチェル、ドン・ロスのギター演奏やジャズ、ヒップホップ、ダブ、ファンクなどを幅広く吸収。「アコギだけ聴いていたら今の音楽にはたどり着いていなかった」と感じている。

 「聴くに値するもの、強い何かを持ったものを作りたいと核として常に思っている。聴く体験が違うどこかに連れて行ってくれる何かを目指している」というサリオラ。今後も「ソロアルバムもライブアルバムも『VOYAGER』のコンセプトを引き継いだアルバムも教育的な素材も作りたい」と、やりたいことがあふれかえっている。

 ◆ペッテリ・サリオラ(PETTERI SARIOLA)1984年生まれ、フィンランド出身。音楽一家で育ち、7歳でクラシックギターを始める。バンド活動でエレキギター、ベース、ドラムも経験。米ギタリストのマイケル・ヘッジスに影響を受け、パーカッシブな「スラム奏法」を確立。押尾コータローらに絶賛され、ライブでも共演した。これまでヘルシンキ・ファンク・アワード名誉賞、シティ・マガジン年間最優秀ギタリスト賞などを受賞。

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス