「順位は関係なくカープファンはやめられない」広島発“唐あげキャラ”あげ太くんが刺さる理由

 広島テレビ(広テレ=日テレ系)の人気ショートアニメ「おしゃべり唐あげ あげ太くん」が放送9年目に突入し、“覚醒”の時を迎えた。3月に同局本社で開催された初の単独イベント「あげ太フェス」は大きな反響を呼び、マツダスタジアムでもカープ戦中継日に場内演出としてスクリーンに登場。さらに特番「あげ太THEゴールデン」が5月29日に放送され、歌手・吉川晃司の出演も決定した。脚本とあげ太の声を担う国宗大吾さん(51)に、歩みと現在地を聞いた。

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 大盛況となったフェスだが、あげ太こと国宗さんは意外にも淡々としていた。「あのイベントだけが特別で、正直そこまで実感はない」。これまでのイベントは20~30人規模が中心だっただけに、5600人を超える来場は“異例”だった。

 スタートは夏休み限定の短期企画。「最初は1カ月で終わると思っていた」。だが放送後に一定の反響を得て2018年に再始動し、レギュラー化。作品は少しずつ形を変えていった。「中途半端にせず、全部広島ネタでいこうと決めた」。広島弁、広島の日常、広島の“あるある”に振り切ったことで共感が爆発した。

 試行錯誤の連続でもあった。ネタ作りは現在もほぼ一人で担い、「イントネーションが分からなければ役所に電話して確認することもある」。呉のイントネーションを市役所に聞くというリアルな広島弁を追求し続ける姿勢が、作品の土台となっている。

 カープ・秋山翔吾外野手の出演が追い風となり、一気に認知が拡大。「狙ったわけじゃないけど、ショート動画にたまたまハマった」とSNS時代の波にも乗った。

 その勢いはマツダスタジアムにも及んだ。4月17日から広テレ中継日に限り場内演出に登場し、「ええ球、放るのぉ」などの広島弁ボイスで球場を盛り上げている。

 そして迎える5月29日のゴールデン特番。「正直、誰が見るん?と思う」とあげ太ばりの本音も漏らす。一方で「決まった以上はやるしかない」と、脚本家として言葉の裏には、期待の大きさと責任がにじむ。

 放送開始から9年がたち「ここまで続くとは思っていなかった」と回顧。それでもネタは尽きない。「日常にいくらでも転がっている」。広島の街、人、言葉が武器だ。

 ひっそり始まったアニメは、いまや世代を超えて支持を広げる存在となり、広テレに出ない日はないほどだが「普段通りを積み重ねるだけ」という。そして最後に「順位は関係なくカープファンはやめられない」と笑った国宗さん。その言葉こそが、広島に根差して生まれた「あげ太くん」の原点であり、最大の強みだ。

 ◆国宗大吾(くにむね・だいご)1974年5月22日生まれ。広島市出身。皆実高ではサッカー部に所属し、主力としてプレー。大学中退後、ネタ作りやラジオ投稿を続ける中でスカウトされ、放送作家の道へ。日テレ系アニメの制作に関わり、脚本補助や声優としての経験を積んだ。現在は広テレの「おしゃべり唐あげ あげ太くん」で脚本と主人公・あげ太の声を担当。

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