菅生新樹 人としても俳優としても大人の階段上る 洋服店から芸能界へ転身 全国放送の連ドラ初主演
俳優・菅生新樹(すごう・あらき=26)が、来年1月8日スタートのテレ東系ドラマ「人は見た目じゃないと思ってた。」(木曜、深夜0・30)で全国放送の連ドラ初の主演に抜てきされ、意気に感じている。大学卒業後22歳で俳優を志し約3年半。座長としてドラマを盛り上げようとキャスト陣を鼓舞している。
今作は、学生時代は野球一筋で、大学卒業後は出版社に就職するも、希望がかなわずファッション雑誌に配属された主人公・石黒大和の物語。人は見た目で判断するべきではないと思っていた石黒だが、ルッキズムに満ちた世界で、次第に揺れ動いていく心模様を描いている。
「この作品だからこそ自分が演じることができるのかなと感じました。自分も最近、抱えていた葛藤や悩みだったので、そういう意味でも自分にぴったりな役じゃないかと思いました」
自身が普段、街を歩き、恋人同士を見て考えることがあるという。「この人は見た目も好きで中身も好きになったのか、中身が好きで好きになったのか」。日々の生活で、考えてなさそうな人が、深く考えていたり、考えていそうな人が考えが浅かったりと、見た目とのギャップに驚くこともしばしばあるという。
「見た目も大事ですし、中身がその人の見た目も作ることもありますし、中身も大事だなと」。
俳優、人として成長を重ねたいと、自分磨きに励んでいる。この世界に本格的に飛び込んだのは22歳。大学時代に約1年間、洋服店で働いた。「服を売るのが楽しかったんですけど、ただ服が好きということだけでなく、売るという成功体験がうれしかった。さらにその上を目指そうと思った時、自分がこの業界で求めるものがあるのかと思いまして」。やりたいことは何かを自問した。
「人生、一回だし真剣に挑戦したいと思った」という芸能界への挑戦。「もともとテレビをすごい見ていたので。うーん、どんな世界なんだろうぐらいな感覚で入りまして」としながらも、考え抜いた末に決断したのが俳優だ。1年目はオーディションを多数受けた。「続かなかったら辞めようぐらいの気持ちでした。真剣にやっているけど、心情の変化があったら辞めようと思ってたけど、『ドラマ見てるよ』とか言ってくださる方がいると、頑張りたいと思う」という。
TBS系ドラマ「下剋上球児」では強いキャプテンシーで仲間を引っ張る主将役で好評を博した。今は新たな壁もある。座長としてドラマを盛り上げようと、ファッション誌の先輩社員役の俳優・剛力彩芽には、自身の思いをぶつけることもあるという。「皆さんのことを当たり前にリスペクトがあるから、何でも聞いちゃいます。素直に質問をぶつけても答えてくれますし、現場のこととか経験談とかを相談はよくしますね」。よりいい物に仕上げるため何が必要か、先輩俳優に聞いている日々だ。
「まだ、若いですけど段々、大人の階段を上ると思っているので、人としても俳優としても少しずつ地に足をつけていきたいです」。初の全国ドラマ主演での経験を大きな財産にすべく、石黒大和を演じきる。
◇菅生 新樹(すごう・あらき)1999年8月26日生まれ。大阪府出身。2022年に日本テレビ系「初恋の悪魔」でテレビドラマデビュー。23年にはTBS系「下剋上球児」に出演。24年にはNHK連続テレビ小説「おむすび」で朝ドラ初出演。25年にはテレ東系「失踪人捜索班 消えた真実」に出演した。特技・アコースティックギター、ドラム、バスケットボール。
