袴田巌さんの姉・ひで子さん 社会を動かした人に贈られる「Public of The Year」受賞 笑顔忘れた半世紀を経て笑顔「今は大変幸せでございます」
1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑判決後に再審無罪となった袴田巌さんの実姉・袴田ひで子さんが、社会を動かした人物とその行動をその年の象徴としてたたえる「Public of The Year 2025」の学術・文化部門に選ばれ、2日、都内で開催された授賞式に出席した。
ひで子さんは弟・巌さんの無実を信じ、潔白を訴えてきた。半世紀にわたり、弟のために諦めず戦い続けた行動が多くの人々を勇気づけ、社会を動かしたことが評価されての受賞となった。
トロフィーを受け取ったひで子さんは「私は15歳から社会に出ているけど、それ以来、賞というものをもらったことはなかった。立派な賞を頂いてうれしく思います。弟は47年7カ月、拘置所に収監されていた。弟も喜んでいると思う。皆さんのおかげ」と語った。
「私は巌だけが助かれば良いと思っていない。えん罪で苦しんでいる方がいる。その方もお助けしないといけない。ともに戦っていきたいと思っております」と力を込めた。
事件発生当時、ひで子さんは33歳。そこから戦ってきた58年という年月を「今になれば長いと思いますが、その当時は年月を数えている暇もなかった。巌が無罪になりまして出てくるまで、笑いを忘れておりました」と回想。現在について「今は私たちは大変幸せでございます」と語った。
