１２月８日に２０周年を迎えるＡＫＢ４８の坂川陽香（１８）、伊藤百花（２１）、花田藍衣（１９）が発売中の６５枚目シングル「まさかのＣｏｎｆｅｓｓｉｏｎ」で表題曲初選抜メンバー入りを果たした。新生ＡＫＢ４８の未来を担う３人が初めて経験する選抜メンバーとしての活動への思いや、さらなる飛躍へ意気込みを語った。

　研究生の伊藤と花田の質問に対して悩む姿が初々しさを感じさせたかと思えば、坂川は冗舌だった。「自信５０と不安５０だった。（発表された時は）すごい驚きとともに、やっとファンの方にうれしい報告ができるという安堵（あんど）の気持ちといろんな感情が込み上げてきた。２０周年というタイミングで選ばれたということもうれしい」と喜びをかみしめた。

　坂川は１８歳ながらすでに在籍約６年目。「長かったです。ずっと選抜に入りたいと思っていたけど、福井にずっと住んでいたので、難しいだろうなってどこか心の底では思ってしまっていた」。地元の福井県に在住しながらの活動だったこともあり、グループのコンサートなどでもリハーサルに参加できないこともあったほどだった。

　「本番だけ来てやるのも気持ちが入りきらなかった。周りのメンバーも私に対して本番だけ来てできるの？って思っていたと思う。自分も申し訳ない気持ちもずっとあった」

　だからこそ、昨年４月から上京を決心した。「地元の高校は卒業を待たずに途中で辞めました。地元の友達にもギリギリの出発５日前に伝えたんです。『東京に行きます』と言ったらもう全員泣いてくれた。応援してくれた友達のためにも東京からいい姿を見せないとダメだと思っていたので、まず初選抜という姿を見せられてよかった」。ＡＫＢ４８一本に絞った覚悟が実りつつある。

　花田は１９期研究生で加入から１年での初選抜メンバー。「（選抜入りする）想像もできなかった」と振り返り、「特にダンスがうまいわけでも歌がうまいわけでもない。でも、ひたむきに根気強くやっているところを見ていただけたのかな」と継続する姿勢も認められた。

　特技は魚をさばくことという個性的な一面も持つ。花田は「今のＡＫＢ４８は個性が一人一人確立している。どんどん（人気が）広がっていける可能性を秘めていると思う」と今のグループの特長を挙げ、「新生ＡＫＢ４８って言ってくださっているけど、新しいというだけじゃなく、３６０度いろんな面を見てほしい。そのきっかけになれるメンバーになりたい」と使命感をにじませた。

　同じく１９期研究生の伊藤は圧倒的ビジュアルでＳＮＳでも注目を浴びている。「こんなに早く（選抜に）入らせていただけるなんて思ってもいなかった。うれしい気持ちももちろんあるけど、それよりも怖い気持ちもあります。不安が大きい」と率直な気持ちを明かした。

　それでも、今回の選抜入りは人気も実力も伴ったからこそ。昨年はテレビ東京系主演ドラマ「星屑テレパス」で主要キャストを務めて役者として高い演技力で存在感を見せた。昨年１２月リリースのカバーアルバム「なんてったってＡＫＢ４８」でもソロ曲を歌うなど期待を寄せられている。「この与えられた状況で輝いて自分ができることをしていくことで、ファンの皆さんに恩返しをしたい」と決意を込めた。

　グループとしては昨年１２月の新劇場での新公演で再び東京ドームを目指すことを宣言した。若手メンバーの３人にとっては立ったことのないステージ。伊藤は「まず大事なのは劇場公演から。それがＡＫＢ４８の魅力でもある。一度、（ＡＫＢ４８劇場に）来てほしい。そこから成長する姿を見てほしい」と自分たちの見どころを語った。

　花田も「ＡＫＢ４８だからこそ、出る熱気がある。メンバーの笑顔、明るさを見てほしい」とアピール。坂川は「加入してすぐコロナ禍になって、東京ドームなんて言葉にも出せない、目指せない場所だと最初から勝手に思っていた。でもなるさん（総監督の倉野尾成美）が今回、宣言したということは、今のＡＫＢ４８にそれだけ希望があるということ。可能だから言ったと思う。目指す場所があることは活力にもなる。ＡＫＢ４８は何もあきらめてない、まだまだ伸びしろがあると思ってほしい」と呼びかけ。グループのために若手メンバーも熱い思いを抱いている。

　◇坂川陽香（さかがわ・ひゆか）２００６年１０月７日生まれ。福井県出身。１９年１２月にＡＫＢ４８加入。身長１６０センチ。憧れの先輩は指原莉乃。

　◇伊藤百花（いとう・ももか）２００３年１２月６日生まれ。埼玉県出身。２４年３月にＡＫＢ４８に加入。身長１５７センチ。趣味は落語。

　◇花田藍衣（はなだ・めい）２００５年６月５日生まれ。神奈川県出身。２４年３月にＡＫＢ４８に加入。身長１５２センチ。特技は魚をさばくこと。