正司歌江さん逝く 94歳、老衰 女性トリオ草分け的存在「かしまし娘」長女

 死去したことが分かった正司歌江さん=2007年6月
 よゐこのトークライブでテーマソングを熱唱した、かしまし娘。中央が歌江さん=18年1月(写真提供・松竹芸能)
 ド派手な車椅子に乗って仕事に復帰した歌江さん(中央)=09年5月
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 姉妹漫才トリオ「かしまし娘」のメンバーで、女優の正司歌江(しょうじ・うたえ、本名平井歌江=ひらい・うたえ)さんが19日午前0時38分、老衰のため大阪府の自宅で死去していたことが24日、分かった。94歳。北海道出身。所属事務所のワハハ本舗が発表した。葬儀・告別式は親族で行った。お別れの会などの予定は未定。長女の旅立ちを、トリオを結成していた妹の正司照枝(90)、花江(87)が悼んだ。

 女性漫才トリオの草分け的存在として老若男女から愛され続けた「かしまし娘」の長女が静かに生涯の幕を閉じていた。関係者によると、近年は療養が続いており、最後は夫が看取ったという。

 歌江さんが80歳の時から所属したワハハ本舗は「生涯現役を掲げ、ドラマ、映画、バラエティー等々、活発的に活動を続けて、ワハハ本舗全体公演でも元気な姿を見せておりましたが、とても残念でなりません」と生涯を通じて芸道を探求した歌江さんを悼んだ。

 歌江さんは旅回り一座の座長だった父を持ち、幼少から舞台に立った。妹の正司照枝(90)、花江(87)と「かしまし娘」を結成し、1956年年から本格的に活動した。歌江さんが三味線で、照枝と花江がギターを担当。流行歌や浪曲を取り入れた音曲漫才で一躍、人気者となった。「♪うちら陽気なかしまし娘~♪」の歌い出しは世間に広く知られ、2018年には昭和の上方演芸界を盛り上げた功績から上方演芸の殿堂入りを果たした。

 1981年にトリオとしては活動を休止したが、それぞれが女優などで活躍。2005年に結成50周年を記念し、四半世紀ぶりに漫才を披露。以後も不定期に活動した。

 歌江さんは09年、79歳のときに腰椎(ようつい)圧迫骨折で入院した際に「浪速女のド根性で頑張る。死なない限りは舞台に立ちます」と気迫のコメントを寄せ、翌月には電飾を施したド派手な車椅子に乗って仕事に復帰。「与えられたら何でもやらせていただきたい。仕事が好きですから。元気の秘けつは仕事をすることです」と目を輝かせ、周囲をうならせた。

 照枝と花江は所属事務所・SHUプロモーションを通じてコメントを発表。照枝は「♪これでおしまい かしまし娘~♪です 穏やかな最期だったようですが いまはただ悲しい」とトリオのテーマ曲に乗せて姉を悼み、花江は「面倒見のよい芸達者な姉でした 歌江姉ちゃん ありがとう」と感謝の思いを伝えた。

 ◇桂福團治「三代目桂春團治師匠との関係もあり弟子である私に気をかけていただき楽屋での仕来たりや芸人としてのアドバイスを頂戴したり時に厳しく指導いただき本当に感謝しております。ご冥福をお祈りいたします」

 ◇横山ひろし「漫才界で先生と、呼んでいたのはかしまし先生といとし、こいし先生でした。皆んな煙たがって側には寄らなかったが結構親しく喋らせてもらいました。かしまし先生漫才終ったら良く揉めていました、流石にその時は近寄れなかったです。漫才の世界では美空ひばりさんの様で近寄りがたい神様の様な人でしたが、私達には良くしてくれました。ありがとうございました」

 ◆正司歌江(しょうじ・うたえ)1929年8月29日生まれ。北海道出身。3歳で初舞台を踏み、56年から妹の照枝、花江と「かしまし娘」をとして活動。流行歌や浪曲を取り入れた音曲漫才で人気を博す。三味線を担当し「♪うちら陽気なかしまし娘~」と歌うテーマソングで親しまれた。99年に文化庁長官表彰、05年に上方お笑い大賞審査員特別賞を受賞。NHK連続テレビ小説「だんだん」など女優としても活躍した。09年からはワハハ本舗に所属していた。

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