歌舞伎俳優の市川團十郎（４５）が１３日、都内で行われた歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」（歌舞伎座・５月２－２７日）内で公演される「十二世市川團十郎十年祭『若き日の信長』」の取材会に登場した。襲名後、初の團菊祭に「團十郎という名前になってからは初めてなので、楽しみではあります」と意欲を語った。

　「若き日の信長」は１９５２年１０月に初演された新歌舞伎の傑作で、十一世團十郎（当時・九代目海老蔵）が挑んだ傑作。その後は成田屋ゆかりの演目で十二世團十郎、当代の團十郎に受け継がれてきた。團十郎は、父との思い出にふれ「父に教わったこと、自分はその時どうだったかなと走馬灯のように思いだす。若い自分には分からないことがあったが、４５歳になってああこういうことだったのかと思う」と語った。

　歴史上でも人気の高い戦国武将・織田信長。現在も映画「レジェンド＆バタフライ」では木村拓哉が、大河ドラマ「どうする家康」では岡田准一が信長を演じている。ジャンルの違いはあるが、團十郎は「信長を演じる時はそれぞれが、それぞれの信長、その俳優が望む信長を演じると思う。それは刺激になります」。團十郎としての信長像を歌舞伎座で見せる。