羽生善治九段 またもや逆襲成功「戻せてよかった」2勝2敗タイ 藤井王将は後手番3連敗
将棋の第72期王将戦七番勝負第4局2日目が10日、東京都立川市「SORANO HOTEL」で指され、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖との五冠=20)に107手で勝利。またもや先手番から逆襲に成功し対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。
天才同士の世紀の一戦。第2局を超える圧勝劇で、羽生九段が通算100期へ力強く前進した。
攻めて攻めて攻め落とした。止まらぬ猛攻に、藤井王将も意表を突く受けを繰り出したが、冷静に応手。最終盤は勝ちを読み切った時に出るとされる手の震えも見せ、即詰みに。午後4時3分と早い終局になった。
羽生九段は「難しいと思ってずっと指してました。(2日目の猛攻は)駒損が響くので攻めるしかなかった。まだどこがよかったか調べないと分からないです」と喜びの表情はなし。「負けると、かど番になってしまうので、タイに戻せてよかった」と安堵(あんど)した。
藤井王将は先手番では24連勝と絶好調だが、これで後手番3連敗と暗雲が漂う。前日の、約2時間半の大長考による封じ手を振り返り「封じ手を長考したところで間違えてしまったと思う。読みの精度が足りなかったかなと感じています」と反省。「早い段階でバランスを崩してしまったのは残念ではあるので、次局以降内容を良くしていきたい」と気持ちを切り替えていた。
第5局は25、26日、島根県大田市「さんべ荘」で指される。
