パリ五輪 セーヌ川で開会式 大スケール60万市民が参加
2024年パリ五輪組織委員会は13日の理事会で、開会式をパリ中心部のセーヌ川で行うことを正式に決定した。各国選手らは約160隻の船で入場行進。組織委によると開会式を競技場外で行うのは夏季五輪で初めて。安全確保が大きな課題となる。
少なくとも60万人の市民らを河岸や橋に観客として受け入れる。競技場で通常行う場合の約10倍に当たり、うち数十万人は無料で観覧できる。組織委のエスタンゲ会長は記者会見で「私たちの目的は開会式を民主化することだ」と強調した。
入場行進は、オステルリッツ橋から川を下り、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館の横を通ってエッフェル塔前のイエナ橋まで約6キロの区間で行う。パリの壮麗な建造物や美しい街並みを背景として最大限活用する。
スポーツやアートのパフォーマンスや船上オーケストラの演奏、光のショーなども計画。水面に近い河岸下部や橋には有料の観覧席を設け、河岸上部からの見物は無料にする。式の終盤はセーヌ川を挟んでエッフェル塔と向かい合うトロカデロ庭園が会場になる。聖火の点火場所や方法はまだ決まっていない。
地元メディアによると計画段階で安全面を巡って組織委とパリ警視庁が激しく対立、マクロン大統領が構想を原則承認する考えを示し、協議を後押しした。当初は約200万人を観客として受け入れると計画した組織委に対し、慎重姿勢の警察当局は25万人に抑えるよう求めたとされる。
開催費用はまだ示されていない。パラリンピックの開会式をどのように実施するかは22年末までに決定する。
