宮下純一、東京五輪キーマンは瀬戸 「俺らはいける」と思わせる泳ぎを

 東京五輪が23日、ついに開幕しました。新型コロナウイルスの影響で異例の大会となる中、デイリースポーツでは、競技や出場選手にゆかりのある著名人がエールを送る連載「私たち、応援します」をお届けします。第1回は、北京五輪競泳男子400メートルメドレーリレー銅メダリストのスポーツキャスター・宮下純一(37)が登場。メダル量産を狙う“トビウオジャパン”への期待を、元オリンピアンの視点から語ります。

  ◇  ◇

 競泳は個人競技ですが、前に泳いだ選手が金メダルを取ったり、記録を出したりすると、自分もできるんじゃないかと勇気が湧いてくるんです。北京の時は北島康介さんが主将で、ミーティングで「俺が金メダル取って帰ってくるから」って言ったのをすごく覚えています。あの100メートル平泳ぎがすごく効いた。僕はこの大会の一番のキーマンは、瀬戸大也選手だと思っています。

 もともと日本競泳界のエース。不祥事で休んだ時期もあったけど、五輪を迎えてどういう成績で周りの方に今のメッセージを発信できるかということと、男子400メートル個人メドレーが最初の決勝種目なんですよ。リオでも萩野公介選手が金を取ってグッと盛り上がった。チームに「俺らはいける」というのを思わせられるか。本人にとっても3種目メダルを取るのに、ここでつまずくと疲れ方が変わってくる。メールした時も「400次第です」と言っていました。

 そして池江璃花子選手。彼女が帰ってきて水泳界がすごく明るくなった。違う種目の選手も「自分たちも負けていられない」と思えたと思います。コーチと話しましたが「頑張り過ぎないように頑張らせるのが難しかった。でも毎回期待をいい意味で裏切ってくれるぐらい、頑張ってくれる」と。東京五輪を経験して、彼女がずっと口にしていたパリ大会を真のエースとして迎えるステップにしてほしい。

 コロナ禍の中での開催。ナーバスになった時に必要なのは、散歩だったり、ちょっと外に出ることなんです。今大会は隔離された状態で、気の休まる場所がない。すごく大変だなと感じます。アスリートとして、やっぱり限界をしっかり尽くすところ、苦しくても粘り強くしがみついていくレースを見せてほしいし、やっぱりいろいろ話をしてほしいなと思うんです。

 自分が今、オリンピアンとしてどういう気持ちで泳いで、どういうことを伝えたかったのかは、やっぱり話さないと伝わっていかない。まとまったコメントではなくて、泳いで感じたこと、自分なりのフィルターを通した五輪を発信することも今大会、大事な彼らの使命なのかなと。そこを含めてのオリンピックにしてほしいです。

 ◆宮下純一(みやした・じゅんいち)1983年10月17日生まれ、鹿児島県出身。5歳から水泳を始め、9歳の時に背泳ぎの選手になる。2008年北京五輪では、競泳男子400メートルメドレーリレーで第1泳者として銅メダル獲得。同年10月、現役を引退。現在はスポーツキャスターとして幅広く活動。日本水泳連盟競泳委員として選手指導・育成にも携わる。

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