つかこうへい氏命日に「蒲田行進曲」初日 朗読劇も舞台そのもの

 2010年に死去した劇作家・つかこうへい氏の命日にあたる10日、東京・紀伊國屋ホールで同氏の没後10年追悼イベント・朗読蒲田行進曲「銀ちゃんが逝く」が初日を迎え、開幕前に公開舞台稽古が行われた。

 同作は1980年に発表された「蒲田行進曲」の完結編。つか氏の追悼演劇祭の一環として1カ月公演を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で、公演の中止が検討されていた。その後、世の中の動きや感染予防のガイドラインを鑑み、つか氏の10回目の命日に「何らかの演劇が届けられないか」(演出担当の岡村俊一氏)と3日間の朗読劇を考え出した。同氏によると、6月の半ばから朗読の稽古を始めたが「6月末には8割が朗読がなくなってしまった。戯曲の持つ力の恐ろしさですね」と振り返った。

 舞台稽古でも、ヤス役の植田圭輔(30)の朗読シーンはあるものの、倉田銀四郎役の味方良介(27)、小夏役の井上小百合(25)、中村屋喜三郎役の細貝圭(35)らが迫力満点のやりとり。クライマックシーンの“階段落ち”を植田、味方が演じるなど、舞台はつか演劇そのものだった。

 つか作品の「熱海殺人事件」に出演している味方は「蒲田行進曲を紀伊國屋でやれて本当にうれしい。つか作品を朗読でやるのは無理だと思っていた。今は朗読の部分も生かした、新しいツールができたと思っています」という。

 乃木坂46卒業後の第1作となる井上は「天国で見ているつかさんが“オイ。オイ”と言われるような作品にしたい。感情の引き出しを勉強しました」と力を込めた。

 同公演は12日まで。この日は同ホールでの追加公演(23~26日)が発表された。

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