NHK新会長 ネット常時同時配信「分かってない、勉強中です」…恐妻家告白も

 会見で質問に答えるNHK・前田晃伸次期会長=東京・NHK放送センター(撮影・開出牧)
 質問をメモしながら答えるNHK・前田晃伸次期会長=東京・NHK放送センター(撮影・開出牧)
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 NHKの次期会長に就任することが決まった前田晃伸氏(74)=みずほフィナンシャルグループ(FG)名誉顧問=が10日、東京・渋谷のNHKで記者会見を行った。前田氏は、新会長就任に「大変な重責を担うことになりました。突然のご指名で本人が一番驚いています」とあいさつ。「できるだけ早く、実情をよく把握させて頂いて、公共放送の使命にふさわしい仕事をさせて頂きたい」と話した。

 「勉強中です」という言葉を繰り返し口にした前田氏は、インターネット常時同時配信が来年4月から始まるが、その期待について「実はインターネットとか(家に)パソコン持っていないんですが…相当古い人間で、常時配信がどんなものかも分かっていない。これも1月までもうちょっと勉強させてほしい」と苦笑い。

 来年の大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が、出演を予定していた女優・沢尻エリカ被告(33)が麻薬取締法違反で逮捕・起訴され騒動となったことについても、「申し訳ないが、そのことは報道でしか知らないので、それ以上のコメントはしようがない」と話すにとどめた。

 しかし、昨今、テレビ離れが進んでいるといわれる現状については、「時代が変わりますので、ある程度しょうがないのかなと思います。しかしテレビがなくなるわけではない。新聞も部数が減るとかありますけど、媒体としてテレビはテレビで価値があると思う。そのためには中身のいい、質のいい物を提供していかないといけない」と持論。これからのNHKのあるべき姿について、「公共放送ですので、国民の皆さんに信頼される番組を作り続けるということに尽きると思います、。視聴率がどうだとか、あんまりそっちばっかりだとおかしくなってしまう。いい番組を提供し続ける、それだと思います」と、“視聴率至上主義”に陥らず、クオリティーを追求していくべきとする自らの思いをきっぱりと口にした。

 家族構成を聞かれると、「恐ろしいカミさんとふたりです」と前田氏。「みずほの社長時代も、マスコミの皆さんに追っかけられて怒られていまして、引き受けるからこんなことになるとブッ飛ばされていました。(NHK会長就任を受諾した)きのうも、同じことが起こりまして。是非この事情をご理解ください」と“恐妻家”である一面を明かし、笑いを誘った。

 前田氏は大分県出身で、1968年に東大法学部を卒業後、同年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行。02年4月に株式会社みずほホールディングス取締役社長に就任し、以降、同FG取締役社長、同会長などを歴任した。来年1月に改めて就任会見を行う。

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