「吉本のミポリンよ」などのギャグで人気を集めた、吉本新喜劇の女優、中山美保（なかやま・みほ＝本名、石田美保子）さんが２月７日午後に、肺血腫による呼吸困難のため大阪市内の病院で死去していたことが４日、分かった。７８歳。葬儀は密葬で済ませた。この日、所属事務所が公表した。

　中山さんは２００９年１２月、吉本新喜劇に出演後に体調を崩し、難病の再生不良性貧血と診断された。その後は自宅で療養を続けていたが、２月に入院先の大阪市内の病院で死去した。訃報は新喜劇メンバーにも秘され、この日、報告されたという。

　１９３８年２月１３日生まれの徳島市出身。昭和の漫才王コンビ「エンタツ・アチャコ」の横山エンタツさんの長男と結婚。晩年まで年齢不詳の女優として知られた。

　１９６７年に吉本入り。当時の吉本新喜劇にあっては随一の美人で、２０～３０代の頃は、山田スミ子らとともにヒロイン役として活躍した。容姿に恵まれ、新喜劇女優おなじみの容姿ネタでイジられることはなかった。

　年齢を重ねるうちに年相応の役どころに落ち着くようになった。目尻や首筋などのしわをイジられるようになり「これは飾りよ」と、開き直ってとぼけるギャグを放ち、笑いを集めた。女優の中山美穂（４７）がデビューした８０年代以降は「吉本のミポリンよ」というギャグが定番だった。

　９０年代には関西のテレビ番組にレギュラー出演し、若手時代のダウンタウンとも共演。以降も新喜劇をベテラン女優として支えていた。